クリスマスにCardanoを(そして、誰かに訊かれたときの答え方)
今年の年末年始は、ちょっと暗号の世界からは離れて過ごすかもしれないけど、Cardanoが食卓で話題に上ったら、こんな風に会話を始めよう
2021年 12月 21日 9 分で読めます
クリスマスのまえのよる、
おうちじゃ暗号もねしずまる、そう、Cardanoだってさ。
米国の学者、クレメント・クラーク・ムーアが『サンタクロースがやってきた』を書いたとき、暗号資産は確実に彼の頭にはありませんでした。歴史家によると、クラークはこの作品を娘へのクリスマスプレゼントとして書き、1822年のクリスマスイブに家族の前で読み上げたといいます。
19世紀第1四半期のクリスマスのお祝いは、おそらく後の時代よりもシンプルなもので、クリスマスの精神をもっと反映したものだったことでしょう。クリスマスディナーを囲んでの会話は、今日でもきっと家族の私的な事柄が話題の中心でしょうが、それでも暗号資産やブロックチェーンに関する話題が取り上げられる頻度は上がっています。人々の、この新しい謎めいて見えるデジタルワールドへの関心は高まりつつあります。
たくさんの有名人がいます。良し悪しは別として、誰もがビットコインという言葉を聞いたことがあります。中には、イーサリアムを聞いたことがある人、あるいはこの数か月間のドッグミームコインのブームに気づいた人もいるでしょう。でも問題は、家族にCardanoをどう説明するか、です。
だんろのまえにはステークプールが、ていねいにつるされてる
クリスマス、そして年末年始のお休みは、食事、家族、そして華やいだムードがすべてを占めています(必ずしもこの順番ではありませんが)。この日は長い一日で、楽しく、好奇心に満ちています。もちろんスマホは脇において、暗号資産のことは忘れましょう。休暇が明けたら待っていてくれますから。でも、もしADAやCardano、ブロックチェーンについて知りたいという、暗号資産に興味を持つ親戚に暖炉の隅に追い詰められたら、そのときはこんな風に話すといいでしょう。
Cardanoはデジタル台帳です。ネイティブ通貨としてADAを使っています。このデジタル台帳は、まぁ、昔ながらの通帳がおしゃれになったものとでも考えればいいですが、ブロックチェーンと呼ばれます。なぜなら、常に新しいブロックが台帳に加えられているからです。したがって、ブロックチェーンは伸び続けます。ブロックには、ADAや他のデジタルトークンのトランザクションが含まれます。
Cardanoは分散型です。これは、たとえば銀行とは違って、ネットワークに起こることを規制している中央当局は存在しないことを意味します。Cardanoは本質的に、何千人もの人々が、何百万もの人々が使用できるネットワークを作るために実行しているソフトウェアです。やがて、Cardanoは完全に自己規制によるネットワークとなり、その将来はコミュニティによって決定されます。
では、ブロックチェーンを構成するブロックはだれが生成するのでしょうか。これは、ステークプールと呼ばれるものの仕事です。ステークプールはネットワークノード(コンピューターだと思ってください)で、トランザクションを処理する責任を負い、Cardanoが成長し続けるために新たなブロックを追加します。ステークプールはまさにCardanoの中心にいるのです。ADAを保有する人々は、スマホやPCで実行できるウォレットアプリケーションを介してその一部(または全部)をこれらのステークプールに委任し、定期的に報酬を得ることができます。
したがって、分散化はブロックチェーンの重要な側面であり、これを理解する必要があります。これは、コンセンサスプロトコルと呼ばれるものによって信用が暗黙の裡に確立される環境です。Cardanoでは、このプロトコルはOuroboros(ウロボロス)と呼ばれます。この名前は、永遠を表す古代のシンボルからつけられています。Ouroborosは、Cardanoの中のさまざまなコンポーネントのすべてを奏でる、舞台裏の音楽監督だと考えてください。異なるすべての楽器が同じ調律、同じテンポで、同じ楽譜を奏でるようにする「指揮者」です。
そして、Cardanoの何が最高と言えるのか知りたいですか。気候変化とかエネルギー危機などを耳にしていると思いますが、Cardanoはとてもグリーンなブロックチェーンです。Cardanoはビットコインやイーサリアムネットワークと比べて、新しいブロックを生成するために必要とする電力がはるかに少ないためです。これは、Ouroborosがプルーフオブステークプロトコルであるためです。
分散型金融について話しましょう
銀行やクレジットユニオン(信用金庫)の手数料は高く、預金をしてもリターンはほとんどありません。既存の金融がアンバランスなのは今に始まったことではありません。ただそれが、行き詰っただけのことです。
ブロックチェーンテクノロジーは、分散型金融、またはDeFiと呼ばれるもののおかげで、このすべてから離れる方法を提供します。従来の金融では、銀行があなたの預けたお金をどうするかを指図し、規制します。そして、融資や信用取引が必要となった時、それを許可するか否かの最終的な決定権は銀行が握っています。これは従来の銀行業務が銀行やクレジットユニオンに集中しているからです。
DeFiはこれを逆転させ、個人に決定権を与えます。DeFiはピアツーピア方式で作動するためにこれが可能になるのです。人から人へ。銀行は必要ありません。
こんな説明をしている理由ですか。それは、CardanoがDeFiの一部だからです。私たちは、リアルFiでこれを一歩進め、世界中の何百万もの人々にデジタルIDを提供して、新種の金融サービスへのアクセスを可能にしたいと考えています。Cardanoは人々によって、人々のために構築されます。Cardanoは公正で包摂的な金融環境を創設したいと考えています。ここでは、長きにわたりすべてこうした機関が人々の代わりに実行してきた意思決定を、人々が行うことが可能になります。
リアルFi
銀行は、仲介者、調整役として機能してきたかもしれません。しかし、経済を動かしているのは人間ですよね。そしてそのために、しばしば金融サービスへのアクセスを必要とします。ビジネスを始めるために流動性が必要な場合もあれば、開発途上国の小規模農業従事者が肥料を購入しなければならない場合も、単純に業者に支払う必要がある場合もあるでしょう。そして、過去の信用問題や、極めて単純に、世界の遠隔地や地方で身分を証明できないために、銀行の協力を得られないケースも多いのです。世界には、法的な身分証明を持たない人がおよそ10億人に上ることをご存じですか。
ここでCardanoの出番となります。これもリアルファイナンス、リアルFiのおかげです。Cardanoはこれら10億人に身分証明書を提供できます。要するに、金融サービスへのアクセスに使うことができるデジタルIDです。リアルFiはこうしたものを本当に必要としている人々に、価値と機会を創り出します。
ADAがえんとつおりてきた
Cardanoがトランザクションの支払いや報酬などに使用する通貨、ADAについて触れたのを覚えていますか(ちなみに、この名前は数学者にしてバイロン卿の娘であるエイダ・ラブレスに由来します)。ADAは取引所とばれるウェブサイトから、フィアット通貨を使って購入することができます。または、分散型取引所で別の暗号資産とスワップすることもできます。つまりADAは購入またはスワップして、ウォレットに保存します。Cardanoは、Daedalus(ダイダロス)とYoroi(ヨロイ)という、2つの「公式」ウォレットを使います。Yoroiは「ライトウォレット」、すなわち、インターネットブラウザーに追加する拡張機能です。Daedalusは「フルノード」ウォレットで、全ブロックチェーン履歴を保存するためより安全ですが速度は遅くなります。あるいは、コミュニティが構築した数多くのウォレットから選ぶこともできます。オープンソースの分散型プロジェクトとして、誰でもCardano用の製品やソリューションを構築できるということを覚えておいてください。
ウォレットにADAを入れたら、トランザクションに使用することも、ステークプールに委任することも(「だんろのまえ」を覚えていますか)、取引所を使って別の暗号資産とトレードすることもできます。もちろん、NFTと交換することもできます。ただし、あなたの親戚がこの数か月にこれに関するニュースにまったく気が付いていなければ、完全に理解してもらうためにもう1日必要になるかもしれません。
Cardanoを新年の抱負の1つに
以上、とても単純化した、簡単な紹介ですが、Cardanoを家族や友人に説明することが、面倒でも複雑でもないことが理解していただければ幸いです。クリスマスの食卓でグラスを鳴らし七面鳥のグレイビーソースを流しながら、驚くべき物語、暗号資産の世界を動かす、陽気で謎に満ちたブロックチェーンの物語を語ってください。
参考:クレメント・クラーク・ムーア著、毛利孝夫訳『クリスマスのまえのよる: サンタクロースがやってきた』望林堂完訳文庫(電子版)、2014年
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