エディンバラ大学とIOGがエディンバラ分散性インデックスを導入
2022年 11月 18日 4 分で読めます
ネットワークの構造は、主に中央集権型(centralized)、ディストリビューション型(distributed)または分散型(decentralized)のいずれかです。分散型ネットワークの安全性は、参加者が増加するにつれ高まります。同じ結果は、中央集権型やディストリビューション型では達成できません。
多くのブロックチェーンが分散型を主張する中、どの主張が妥当であるのか判断するのは困難です。いかなる分散性の主張も、非常に主観的なものです。
バリデーターの少数派がブロックのマイニングやミントの大多数を担うとき、そのブロックチェーンは真に分散化されていると言えるでしょうか。何をもって分散化と言えるのでしょうか。どのような計測基準が、分散化を判断するうえで客観的であるとみなせるでしょうか。
ここで、エディンバラ分散性インデックス(EDI:Edinburgh Decentralization Index)が登場します。これは、ブロックチェーンの真の分散性を判断するうえで、極めて重要な役割を果たすことを目的としたイニシアチブです。この記事では、EDIの重要性、設計、そして、ブロックチェーン界における意義を説明します。
EDIが存在する理由
分散性は、あまり検証可能な事実に基づくことのない業界用語として使われることが多いため、ブロックチェーンシステムの分散性の定量化には構造的なアプローチが必要です。
本日、エディンバラ大学とInput Output Global(IOG)は分散性を定義、計測する研究プロジェクトを立ち上げました。
EDIはブロックチェーン業界向けに測定可能な分散性の標準を提供します。EDIの採用により、暗号資産に対する政府の意見を教育することができます。
EDIには多くのユースケースの可能性があります。政府は、より幅広い暗号資産規制フレームワークの一環としてこれを採用でき、ユーザーや組織は確信を高めてチェーンの分散性を判断できるようになります。
EDIの設計
EDIは、上級研究員と開発者からなる学際的な共同チームによって設計されました。チームは、エディンバラ大学情報学部のサイバーセキュリティ講師Daniel Woods博士と、IOGのチーフサイエンティストにしてエディンバラ大学のサイバーセキュリティおよびプライバシーの主任を務めるAggelos Kiayias教授の監督下で、エディンバラ大学のブロックチェーン技術ラボ(BLT)で作業を行います。
EDIは分散性の程度を評価できる統一されたフレームワークを作成し、ビットコイン、イーサリアム、Cardano、その他のチェーンから抽出したデータに適用できます。EDIは以下を含む複数のレイヤーにわたってチェーンの分散性を測定します。
- ハードウェア
- ソフトウェア
- ネットワーク
- コンセンサスメカニズム
- トークノミクス
- API
- ガバナンス
- バリデーターの地理的分散性
EDIのフレームワークを概説した研究論文は、こちらからアクセスできます。
IOGはブロックチェーンの研究を優先
IOGの仕事は学術研究の基盤をもとに構築されています。この仕事は広範な研究ネットワーク、複数の学会、26人の科学者、教授、リサーチサイエンティスト、リサーチエンジニアからなるチームを通じて遂行されています。
IOGが主要なブロックチェーンインフラストラクチャーおよびエンジニアリング企業である理由を理解するには、IOGの研究が学術界にどのように広がっているかをご覧ください。
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