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ノードの強化からブロックリーダーシップまで…2月のCardanoリリース

2022年はエコシステムへの配信予測可能性を充実させるために、複数のコードリリースをグループ化。今回は2022年最初の主要な更新内容を紹介します

2022年 2月 28日 Tim Harrison 5 分で読めます

ノードの強化からブロックリーダーシップまで…2月のCardanoリリース

Alonzoアップデートによるスマートコントラクト機能のデプロイに続き、Cardanoは現在パフォーマンスの最適化とスケーラビリティに重点を置いています。多彩な分散型アプリケーション(DApp)や分散型取引所(DEX)の立ち上げが始まり、今後数か月にわたりさらに多くが予定されています。2022年はCardanoが、現実の人々のためのサステナブルな金融(リアルFi)を提供するプラットフォームへと、また、分散型ガバナンスのフレームワークにより将来の開発が規制される環境へと進化を始める年です。

今後数週間、数か月にわたり、新たなリリースを通じて、最適化、スケーリングが実施され、新機能が導入されます。これは、テクノロジースタックの新機能をより管理しやすい定期的なリリースにグループ化する、明確に定義された増分更新で実施されます。2022年にはコアネットワークをアップグレードするために3回の主要なコードドロップが予定されていますが、現在はその初回である2月リリースの最終段階に入っています(残り2回は6月と10月)。

このグループ化戦略には、予測可能性という1つの明確な根拠があります。Cardanoは大幅に成長しました。そして、2022年にはさらなる成長が期待されます。特定のリリースウィンドウを設けることにより、Cardanoのインフラに依存している企業は主要なリリースがいつ実施されるのかを正確に知り、それに備えることができるようになります。

本リリースの内容

2022年初回主要リリースには、複数のパワフルな改良や強化が含まれています。

  • 第三機関のツールを必要とする代わりに、ノードに付属するネイティブツールCLIを使用してCDDL(コンサイスデータ定義言語)に準拠したトランザクションを作成する機能。
  • トランザクションの段階的マルチシグ。Cardanoトランザクションに秘密鍵を使用して複数の関係者が署名すること(共同名義の銀行口座のようなもの)は既に可能ですが、本更新では、トランザクションに段階的に署名をすることを可能にしています。たとえば、全員が一緒に署名する代わりに、誰かが最初にトランザクションに署名し、これを次の人に送信することができます。
  • SPOがリーダーシップスケジュールを確認するための新CLIツール。このツールにより、SPOはコマンドを実行して、自分が次のエポックでブロックをミントするスロットを確認することができます。この機能により安全性に問題が生じるとの危惧が出るかもしれませんが、このツールはSPOが自分の予定のみを確認できるように設計されています。他のSPOのスケジュールは確認できません。
  • ローカルメモリープール検査用CLIツール。トランザクションがブロックに含まれる前に、トランザクションが納まるローカルメモリープールの検査を可能にする開発者ツールです。この機能により、開発者は、トランザクションがブロックに追加される前にその進行状況を追跡できます。
  • スクリプトコスト見積もり用CLIツール。ノードユーザーは、Plutusスクリプトの実行コストを正確に見積もることができるようになります。この有用性は、開発者がスマートコントラクトの作成時またはスクリプトの検証時に、自分が使用するリソース(メモリー制限、CPU制限など)を確認できることであり、Plutusトランザクションを作成するときに非常に役立ちます。開発者は、スクリプトをオンチェーンで実行するときに、どれだけのリソースを使用するのかを知ることができます。

2月リリースは始まりに過ぎません。2022年を通じて、さらに6月と10月のハードフォークコンビネーター(HFC)イベントを中心に、一連のスケーリング強化が導入されます。これには、パイプライン、新しいPlutus CIP、UTXOオンディスクストレージ、Hydraなどの主要要素が含まれます。パラメーター調整と組み合わせて、こうした機能は増加する多彩な分散型金融(DeFi)アプリケーション、スマートコントラクト、DEXに適応するために、Cardanoのスループットを強化し、システムを最適化します。また、最近配信された2月のCardano360ショーで概説したように、IOGはDAppストアや新ライトウォレットからMithril高速動機ソリューションやサイドチェーンに至るまで、さまざまな新製品や新機能に取り組んでいます。その間、信じられないほどのコミュニティが新しいDApp、サービス、サイト、ツール、APIを提供して、繁栄する分散型エコシステムを構築し続けています。エキサイティングな2022年がこの先に続いています…

Tim Harrison

Tim Harrison

VP of Community & Ecosystem

Communications