IOGの新部門、開発者エクスペリエンスが開発アジリティを改善
社内プロセスを皮切りに、より優れたソリューションの構築とCardano開発エクスペリエンスの最適化に取り組む
2022年 1月 13日 5 分で読めます
グローバルリーチを意図して設計され、機能を強化したCardanoは、今やコア機能から生きたスマートコントラクトプラットフォームへと移行しています。Cardanoの成長と成熟をけん引しているのは、段階的な最適化と、科学的に検証されたシステム改良です。
「性急に動いて物事を破壊する」のは、Cardanoの構築方法ではありません。テクノロジーの最前線で、その中心にリサーチアジェンダを据えて取り組むなか、私たちは、数学的仕様記述やプロパティベースのテスト、高保証性ソフトウェアシステム配信の証明といった形式手法を使用し、ユーザーが安心してデジタル資産を管理できるように努めています。
プログラム可能性
コアシステムコンポーネントが正しく機能することを確実に保証するために、プログラミング言語の基礎としてHaskellを使用していますが、堅牢なブロックチェーンプラットフォームの提供に役立つ単一の言語もしくはツールは存在しません。
さまざまな可能性や異なるプログラミングシナリオが存在する中で、私たちの目標は社内開発者とより幅広い開発者エコシステムの両方が、Cardanoにおける構築に関して常に一貫したエクスペリエンスを得られるようにすることです。したがって、インフラの中でさまざまなプログラミング言語や開発ツールを使用しながら、私たちはこの開発も限界まで進めています。すなわち、コード原理の強化とさまざまなシステムや手法の機能の拡張です。
機能や使用の拡張につながるあらゆる取り組みは、まず社内プロセスから始める必要があります。そこでこの度、Cardanoで構築およびデプロイする全員にフレキシブルで一貫した環境を提供するために、開発のアジリティを向上させる新たな部門を創設しました。
開発者エクスペリエンス部門
IOGの開発者が日常使用するツールによって業務に支障をきたすことがないように、新たにMoritz Angermannを長とする、開発者エクスペリエンス部門(DevX)を創設しました。
Moritz Angermannは次のように説明します。
DevXはIO開発者のための社内テクニカルサポートセンターだと考えてください。原則的に、さまざまなチームの継続的統合(Continuous Integration:CI)と「ビルド」のニーズに補助とツールを提供し、設定手続きによって納期に遅れがでることのないようにします。
本部門はすべてのエンジニアリングチームと協力するとともに、チーム間の相互作用を増幅させ、開発プロセスを合理化する役割を果たします。DevXがもう一つ焦点を当てるのは、「ツール」チームから自然に引き継ぐHaskellツールの改良です。このチームはDevXに組み込まれました。
ツール
Cardanoは多機能スマートコントラクト開発プラットフォームですが、いまだ初期段階にあり、台帳とネットワークは今後段階的にアップグレードされます。Cardanoは世界各地の何百万ものユーザーが利用できるように設計されており、私たちは増加する需要に対し、フレキシブルに対応できるよう努めています。すなわち、ネットワークの成長に合わせて、スケーラビリティおよびスループットプロパティの拡大に適合させるために、プロトコルパラメーターの調整 を行っています。
DevX部門は継続的な台帳のアップグレードと最適化を可能にするツールを開発しています。このツールは、開発者のニーズに対応し、さまざまな構築ライブラリーをより有効に活用することを可能にするものです。Haskell開発エクスペリエンスの合理化には以下が含まれます。
- クロスコンパイル機能の大幅な改善
- プラグインサポートの強化
- Rustやその他のプログラミング言語との相互運用性への取り組み
こうした改良により、開発者は他言語で作成されたライブラリーでHaskellを使用して作業できるようになるばかりでなく、他言語でHaskellライブラリーを使用できるようにもなります。これとともに、本部門はNix、GHC(Glasgow Haskell Compiler)、GHCJS(Haskell to Javascript compiler)サポートの使用に関するワークフローの強化にも注力しています。
Cardanoが2022年を通じて完全にオープンなインフラモデルへと進化を続けていく中で、私たちは、こうした改良がやがてより幅広い開発者コミュニティに、Cardanoでさまざまなプロジェクトに取り組み、デプロイするためのよりよいツールを提供できるようになることを願っています。
DevXの功績は、Input Outputのさまざまなリポジトリに含まれています。Haskell Nix開発の進捗状況はこちらのリポジトリを、また、GHCに関する詳細はgitlab.haskell.orgをご覧ください。
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