Cardano憲法:制定会議から批准までの道のり
昨年12月にブエノスアイレスとナイロビで開催された憲法制定会議におけるCardanoブロックチェーンエコシステム憲法の承認は、Cardanoおよび広範なブロックチェーンコミュニティの両方にとって歴史的瞬間となった。この会議では総仕上げとなる議論の末に憲法草案の最終稿が作成されたが、これは現在完全に承認されオンチェーンにある。この画期的なイベントでもっとも注目すべき瞬間を振り返りたい。
2025年 2月 27日 10 分で読めます
憲法をオンチェーンの批准に向けて進めることを承認するか否かという問いに、明確な「イエス」が投じられた。これは、2024年12月初旬にアルゼンチンのブエノスアイレス大学とケニアのハイアットリージェンシーで開催された憲法制定会議の紛れもない結果であった。代表団の95%という圧倒的な支持を受けて承認された文書は、2025年1月30日にオンチェーン投票に付された。そしてこの憲法は、DRepの承認しきい値である75%に達し、ICC(暫定憲法委員会)で全会一致の承認を得た後、2月23日にオンチェーンで制定に至った。
この制定会議は、Cardanoのガバナンスを前進させるための憲法制定という唯一のビジョンを念頭に置いて、グローバルなCardanoコミュニティが1年以上に及び注ぎ込んできた情熱、献身、努力の集大成であった。50を超える国を代表する1,400人以上のCardanoコミュニティメンバーが、世界各地で開催された63の憲法ワークショップに参加した。制定会議では、世界各地の各ワークショップから選出された投票権を持つ代表者や代表者代理が再びワークショップに参加し、憲法のさらなる修正を続けた。Input | Output(IO)は、イベントとコミュニティの旅のハイライトをドキュメンタリー動画に収めている。
制定会議で達成された承認とそれに続くオンチェーン批准を、何かの終わりと見なすべきではない。むしろ、これは始まりの終わり、すなわち、すべてのコミュニティメンバーがCardanoのオンチェーンガバナンスプラットフォームのさらなる進化と普及を推進すべく協力を続ける時を迎えている。
毎日のハイライトや他の重要なシーンなど、憲法を形作った最後の瞬間の洞察を提供する憲法制定会議の概要をぜひ一読されたい。
状況
参加者は、世界中から集まったCardano愛好家、開発者、研究者たち。大会は物理的に数千マイル離れた2つの場所で開催され、2つの代表団はビデオリンクを介して絶えず通信しながら共に作業を進めたことで、距離をものともせずにコラボレーションと共同作業が実現し、分散化のパワーと実行可能性が改めて証明された。
制定会議日録
1日目 - 12月4日 - 開会、審議
初日は、準備、状況把握、憲法の内容をめぐる議論の取っ掛かりに焦点が当てられた。
- Emiliano Yacobitti UBA副学部長による歓迎スピーチ。イベントの成功を願うとともに、Cardanoエコシステムとの継続的なつながりを提唱。
- Input | Output(IO)のCharles Hoskinson CEOによる歓迎の挨拶と開会の基調講演。この瞬間に至る過去10年間の旅を振り返り、次の3日間がCardanoコミュニティだけでなく、あらゆる場所のすべての人々にとって重要な意味を持つ理由を説明した。いわく、「一部の国民国家よりも大きなGDPを持つブロックチェーンの憲法を策定することは非常にまれなことだ」。
- 代表達は憲法の細部にわたって検討。特に第4条(予算)と付録II(重要な用語の定義)は重点的に、数度にわたるライブ編集を実施。終了時間までには、第4条の修正された文言についてほぼ全会一致で合意に達し、付録IIを完成させる翌日の行動計画に合意。
- ナイロビの参加者たちはステージに上がって踊り始め、記憶に残る楽しいひとときが到来。ブエノスアイレスの参加者もすぐに続き、大陸にまたがるダンスセッションとなった。
2日目 - 12月5日 - 最終審議、投票
審議のまとめと投票の実施。Cardanoと世界中のブロックチェーンエコシステム全体にとって、真に歴史的な瞬間が訪れた。
- 本制定会議は、世界で最高レベルの権威を誇る一部の暗号やブロックチェーン専門メディアの見出しを飾った。Cointelegraph、Africa Business Insider、Criptonoticiasはイベントに関する記事を掲載。
- 代表たちは議論の末に憲法の付録から定義を削除する動議を提出したが、これは、憲法の批准と共に定義を提供するという条件付きで可決された。
- 会議に出席した一部の代表は、憲法のための用語の定義を最終化するためのCardano憲法制定代表特別委員会の指導的立場に選出されることを主張。
- 憲法最終案がまとまる。代表者は変更を検討し、投票に向けた最終案を完成。
- 代表たちが投票する前に、Charlesはこの決定がもたらす重要性を強調し、現在の草案のいずれかの部分がエコシステムにリスクをもたらす可能性があると感じた場合、この草案を拒否するよう念を押した。
- 投票が行われ、95%(63人中60人)という圧倒的多数が賛成票を投じた。
- 代表団の95%が憲法を支持しているというニュースが流れ、歓喜の渦となった。
3日目 - 12月6日 - 憲法調印
制定会議の最終日は祝賀と振り返りの時間となり、強力な結束の象徴且つ分散型オンチェーンガバナンスの集合的ビジョンである憲法の調印でクライマックスを迎えた。
- 先般惜しくも他界され、ガバナンスハードフォークにその名を残すこととなったコミュニティメンバーPhil ChangとMatthew Plominを追悼。
- ブエノスアイレスとナイロビの代表団は、Cardanoが自分たちの生活や地域社会の人々の生活にどのような影響を与えてきたかについて、感動的なプレゼンテーションを発表。Cardano市民委員会メンバーが最初の憲法草案のプロセスを説明。
- Charlesが感動的なスピーチを行い、Cardanoコミュニティに対する深い感謝と誇りを表明。式典を「始まりの終わり」と称し、夢が実現した瞬間と認識。
- 調印式はIOのTim Harrison(EVPコミュニティ&エコシステム)が司会を務めて遂行。ブエノスアイレスとナイロビの両地で参加者の署名式を伴う式典がもたれ、憲法草案作成者、代理を伴った代表が起立を促され、憲法は正式に調印された。
今後の展望
メリアム=ウェブスター辞典には、憲法は「政府の権限と義務を決定し、その中の人々に一定の権利を保証するネイション、国家、または社会集団の基本原則と法律を確立し、定義する」とある。
このような定義はブロックチェーンエコシステム、より具体的にはCardanoにも当てはまる。新憲法は、今後のCardanoエコシステムを統治する基本原則とガイドライン、その原則を支える機関の行動と必要性、そしてCardanoコミュニティの権利と責任を規定している。
もちろん、いかなる憲法も完全ではなく、最終的なものでもない。それでも、Cardanoブロックチェーンエコシステム憲法は、Cardanoブロックチェーンとコミュニティのダイナミズムに沿って進化する余地を提供しながら、革新的なガバナンス構造の下でCardanoエコシステムが成長し繁栄することを可能にする強固な基盤を確立するものだ。
Charlesが言ったように、「憲法の批准は旅の終わりではなく、単に始まりの終わりだ」。
憲法用語の定義を最終化する責任を負うCardano憲法制定代表特別委員会は、その後500時間以上を費やして定義の草案を作成し、この起草プロセスを通じて特定した開発、学習、成熟が必要な分野を指摘している。
詳細確認、参加
憲法の制定はCardanoコミュニティ全体にとって目覚ましい取り組みだ。この動画を見て憲法についての詳細を知り、参加しよう。
- この動画で憲法と制定プロセスについて知り、ここで文書を参照する。
- イベントのハイライト動画を見る。
- DRepになるか、自分の意見を共有する人に委任する。
- ガバナンスワークストリームに注目し、Intersectに参加して貢献する。
終わりに
Charlesは、憲法調印が自分のプロとしてのキャリアの中でもっとも誇りに思う瞬間に数えられること、そしてブロックチェーン業界にとってこのイベントが非常に重要であることを公に認めている。憲法の批准はもう1つの歴史的な節目を示す。2025年は記念すべき年となる。学びの年であり、コミュニティが管理し、分散化されたエコシステムとしてのCardanoの未来を前進させ続ける年となるだろう。
執筆協力:Tim Harrison、Matthew Capps、Ivan Krakoze
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