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アルゼンチン、忘れ得ぬ学習体験

ブエノスアイレスのUTNで行われたCardano開発者コースでの革新的体験とは。学生たちはブロックチェーンの実践的なスキルを身に着けるとともに活気に満ちたラテンアメリカのCardanoコミュニティとのつながりを深化

2024年 9月 12日 Ivan Irakoze 7 分で読めます

アルゼンチン、忘れ得ぬ学習体験

Input | Output(IO)の教育チームは、先日アルゼンチンのブエノスアイレスにある国立工科大学(UTN)で、Cardano開発者コースを提供しました。この体験は、深い技術的学習を促すとともに、地元のコミュニティや文化とのインタラクションを通じて、教育チームに忘れられない印象を残しました。

IOの技術教育を担当するKarina Lopezが、Ada Labs for Blockchain Applications(ブロックチェーンの普及のためのADA研究所:ALBA)と共同で提供したこの2週間のコースのハイライトと逸話を紹介します。

アルゼンチン到着

私たちは興奮と期待、そして、学生たちをCardanoの立派なスマートコントラクト開発者、DApp開発者にするという野心的な目標を抱いてブエノスアイレスに到着しました。UTNはこのコースのために最先端の研究所を用意してくれていて、ここには必要なものが何でもそろっていました。しっかりしたWiFi、広々とした教室、それに、Cardanoのさまざまな開発フェーズを反映した図で飾られた刺激的な環境などです。研究所に足を踏み入れた時、これにかかわる人々全員にとって、稀有な体験になるということがはっきりとわかりました。

集中学習とコラボ

コースの内容は、素人の学生を2週間で一端のCardano開発者にするものでした。このため、次を掘り下げることになりました。

  • ブロックチェーン技術の基礎
  • Ouroborosコンセンサスメカニズム
  • EUTXOモデル
  • オンチェーン、オフチェーンアーキテクチャーの設計と開発

オフチェーンコーディングにはMeshJSを、オンチェーンにはAikenを使用し、学生たちがすぐに使える実践的なスキルを身に着けられるようにしました。 

10日間連続5時間授業というハードなコースにもかかわらず、学生たちの集中度は目を見張るものでした。彼らは素早く作業環境を整え、待ちきれないと言わんばかりに資料にのめり込みました。そして、よく居残ってプロジェクトの作業を続けていました。授業は学生たちがしょっちゅう質問をしたり熱い議論を繰り広げたりするなどインタラクティブなもので、そんな空気によってコラボレーションが促進されました。

共通の体験が絆を構築

私たちには授業という枠を超えて、学生たちと個人レベルでつながる機会がありました。食事の時間は、おいしいペルー料理やアルゼンチン料理を囲んで、くつろぎながら親しくなる機会となりました。こうした時間は、学生各々の背景やモチベーションをよりよく理解し、信頼できるポジティブな学習環境を創り出すうえで大変貴重なものでした。

休憩時間にはブエノスアイレスの豊かな文化に触れ、コミュニティとのつながりを深めるとともに、私たちの仕事をより広いコンテクストに当てはめることにつながりました。私たちは、ラテンアメリカのCardanoコミュニティの情熱とコミットメントに触発されたのです。

知識の強化

コースは、学生たちがCardanoプラットフォーム上で構築するために必要な知識とツールを強化するものでした。なかでも印象的なトピックとして、以下が挙げられるでしょう。

  • MeshJSを使ったDApp全体の設計と作成
  • Plutusバリデーターのアーキテクチャーの設計、およびその作成とテスト
  • バリデーターの時間管理と決定性

学生たちはこうしたトピック、とくにAikenとバリデーター設計の学習に高い熱意を見せ、結果テストとさらなる検討に1日余分に費やしました。

コースそのものの他にも、学生たちはさらに理解を深めるために、次のような補完的ワークショップに参加しました。

  • txPipeチームのAlejandro Guillermo AvagninaとFelipe GonzalezがDemeter.runの使用に関する洞察を提供した 「開発者エクスペリエンスの向上によるブロックチェーン普及の加速」
  • 私たちが提供したMarloweワークショップ
  • GameChanger創立者のAdriano Fiorenzaによる「Web 2.9またはWeb 3の構築とは」

学生たちは、コアカリキュラムに留まらずにブロックチェーン技術をより広く検討できるこうした追加のセッションに喜んでいました。

成功を讃え、今後を展望

コースの締めくくりは、DAppプロジェクト用にスマートコントラクトを設計し作成するために学んだことを応用する、6時間に及ぶ試験でした。20人中18人がコースを修了し、新しいCardano開発者としてエコシステムに貢献する準備が整いました。

卒業式は誇りと賞賛の時となり、IOのCEO、Charles Hoskinsonが学生の努力と可能性に触れた刺激的なスピーチを述べました。CharlesはまたブエノスアイレスUTNのGuillermo Oliveto学長に会い、このようなイニシアチブの影響と将来について話し合いました。

このイベントには、Philip WadlerAggelos Kiayiasという2人の偉大な教授たちもエディンバラ大学からオンラインで参加しました。

私たちは、達成感と感謝の気持ちをもってブエノスアイレスに別れを告げました。このコースは単なる教育体験に留まらず、発見、つながり、そして相互成長の旅となりました。ここで培われた絆と、私たちが共有した知識は、ラテンアメリカにおけるCardano開発の今後を形作っていくことになります。

この地、そしてそこからさらに広がった地域で、活力に満ちたCardanoコミュニティにかかわる機会を楽しみにしています。それまでのあいだは、次世代のブロックチェーン開発者をサポートし、エンパワメントしていくことにかかわり続けます。

現在、このコースを年内にもう1ラウンド開催する計画を立てています。詳細はまもなくお知らせしますのでお楽しみに。