ZK-Lab - ゼロ知識証明の基礎を研究
高保証ブロックチェーンソリューションの提供でIOGと提携するエディンバラブロックチェーン技術研究所の姉妹ラボ、ZK-Lab
2022年 11月 18日 6 分で読めます
ブロックチェーン研究開発の大手企業Input Output Global, Inc.(IOG)は分散型技術の研究と安全なブロックチェーンソリューションの提供のために一流大学や研究ハブと協力しています。
最近のブログ記事では、IOGが、関数型正確性と研究ベースの実証に基づくブロックチェーン技術の研究に携わる諸機関およびラボからなるネットワークをいかに確立したかを論じています。今回は、ZK-Lab、すなわちゼロ知識証明(ZKP)の基礎研究を行うゼロ知識ラボを紹介します。
ZKPを取り上げる理由
分散型コンピューティングパラダイムの勃興は、主権者が自身のデータを管理する安全な手段を確立することへの関心を再燃させています。ZKPを使用すると、一方の当事者は、特定の声明または主張が真実であることを、内容を明らかにすることなく他方に証明できます。
1985年のGoldwasser, Micali, and Rackoffの論文「The Knowledge Complexity of Interactive Proof-Systems(対話型証明システムの知識の複雑性)」で最初に提案されたZKPは、科学理論家と実務家の関心を一様に捉えています。ZKPは当初、その複雑で理論的、そして基本的な側面が高く評価されていましたが、デジタルIDを保護し、イーサリアムやその他のブロックチェーンのスケーラビリティの問題を解決するための潜在的なソリューションとしても認識されていました。
現在ある実用的なZKPアプリケーションの多くは、パフォーマンスと暗号仮定において異なっています。簡潔で非対話型のゼロ知識証明SNARKSは現在検証者から見てもっとも魅力的な証明システムです。SNARKSはブロックチェーンシステムのパフォーマンス、簡潔さ、データ保護のプロパティを改善でき、ライトクライアント、スマートコントラクト、支払い、デジタルID管理、投票をはじめ、さまざまなユースケースに適用できます。
ZK-Labについて
ZK-Labはエディンバラ大学を拠点とする、エディンバラブロックチェーン技術研究所の姉妹ラボです。ZK-LabはIO ScotFest: the age of Voltaireでコミュニティに紹介されました。IOGのリサーチフェローにしてエディンバラ大学セキュリティおよびプライバシー研究グループのシニア講師Markulf Kohlweiss率いるZK-Labには、ポスドク研究員と博士課程の学生がいます。
ラボでは、とくにセキュリティとパフォーマンスに焦点を当てた、ZKPの基本および応用研究に重点が置かれています。ZKプロトコルに加えて、ラボでは、安全性、スケーラビリティ、分散性を高めたコンピュテーションという目的を達成すべく、他の暗号および信頼できるハードウェア技術の調査も行います。
ラボは、既存のコラボレーションと研究論文から恩恵を受けます。これまでの業績には、Sonicなどの zkSNARK 証明システム、zswapや PEReDiなどのゼロ知識アプリケーション、「Another Look at Extraction and Randomization of Groth's zk-SNARK」、「What Makes Fiat-Shamir zkSNARKs (Updatable SRS) Simulation Extractable?」、「Snarky Ceremonies」、その他の 研究論文による実世界のセキュリティ面に関する一連の取り組みが含まれます。これらの取り組みがともに、ブロックチェーン設定におけるSNARKSのさらなる研究と実装の基礎を築きます。
ZK-LabはIO ScotFestでその目標とイニシアチブの概要を発表しました。論点には以下が含まれます。
- 実践に向けた優れた理論の重要性
- 分散型アプリケーションにおけるゼロ知識の役割
- ゼロ知識、分散台帳、マルチパーティ計算の相互作用
IO ScotFest仮想イベントに参加して、ZK-Labやその他の研究イニシアチブについての詳細や、新しい IOGの発表やプロジェクトの最新情報を含む基調講演やプレゼンテーションをご覧ください。
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