DISHがInput Output Global(IOG)の技術をベースに構築した分散型IDおよびロイヤリティコインシステムを発表
画期的なブロックチェーンソリューションを作成してDISHエコシステムにおける分散型テクノロジーの採用を促進するための、DISHとIOGの長期的コラボレーションの一環としてのイニシアチブ
2022年 6月 7日 5 分で読めます
DISH Network Corporationが、Input Output Global(IOG)が設計、開発したブロックチェーンテクノロジーを基盤に、分散型IDおよびロイヤリティコインシステムの立ち上げへ向けて最初のステップを踏み出しました。この第1歩は、Atala PRISMのIDサービスとCardanoのネイティブ資産機能によって、DISHのインフラでブロックチェーン機能を可能にするものです。
このコラボレーションの最終目的は、最初にCardanoブロックチェーンに構築された堅牢かつ完全にデジタル化および分散化されたIDとロイヤリティのフレームワークを作成することです。
DISHは米国コロラドに本社を構える衛星テレビ会社です。2021年のCardanoサミットで、IOGのCharles Hoskinson CEOは、分散型台帳テクノロジーの普及を推進するために両社が協力して新しいブロックチェーンソリューションを作ると発表しました。
このMVPは、ブロックチェーンを今後DISHエコシステムと顧客戦略全般の核とするためのIOGとDISH長期の革新的なコラボレーション、CRONUS(クロノス)プロジェクトの一環です。
CRONUS MVPの仕組み
MVPは、ブロックチェーンテクノロジーに支えられたトークンベースのバックエンドロイヤリティシステム作成に向けた旅の始まりを表しています。この旅の第1段階はCardanoブロックチェーンでロイヤリティトークンをミント(発行)し、DISHのBoostOneロイヤリティプログラムにロイヤリティコインの残高を複製できるようにすることです。
Cardanoは、顧客が獲得したロイヤリティコインまたはBoostcoin™の残高を追跡し、それに応じてロイヤリティトークンをミントまたはバーン(廃棄)します。ロイヤリティトークン残高は、DISHが管理するウォレットを使用し、夜間のバッチ操作で調整されます。IOGはこのウォレットへのアクセス権を持ちません。個人を特定する顧客情報が混入しないようにするために、MVPはAtala SDKライブラリーを活用して未公開の分散型ID(DID)を生成します。
MVPのコア機能
立ち上げ時にMVPが提供するのは以下の機能です。
- Boostcoinを追跡し、ロイヤリティコイン残高とトークン残高を合致させるために必要なミントまたはバーンするロイヤリティトークンの量を表示するロイヤリティ台帳データベース。
- Cardanoメインネットでトークンのミント、管理を行うためのAPI。
- ロイヤリティ台帳データベースが提供するデータに応じてロイヤリティトークンをミントおよびバーンするCardanoメインネット。
- すべてのBoostcoinを保存するDISH社のウォレット。ウォレットは夜間のバッチ更新でトランザクションのミントとバーンを実行します。
- 各顧客に未公開のDIDを生成。このDIDはMVP外部にあるcustomerマスターにマップされます。DIDはAtala SDKライブラリーを使用して生成されますが、それ自体はCardanoブロックチェーンに公開されません。
MVPには2つのAPIが含まれます。
- Cardanoメインネットブロックチェーンでトークンのミント、管理を行うためのAPI
- ロイヤリティトークンのミントとバーン
- 流通しているトークン総量の照会
- ロイヤリティ台帳データベース用API
- 顧客アカウントにロイヤリティコインを追加
- 顧客アカウントからロイヤリティコインを削除
- 顧客ごとにロイヤリティコイン残高とトランザクションの照会
このMVPは主要なブロックチェーン普及に向けての第1歩です。この最初のステップはブロックチェーンの有効化に関するものです。DISHはさまざまなノードを実行し、DIDを発行し、ネイティブ資産をミントおよびバーンすることによってCardanoエコシステムに参加することになります。次の段階はブロックチェーンの普及であり、DISHユーザーにブロックチェーンエコシステムのさまざまな側面を徐々に紹介していきます。これにはウォレットの所持が含まれますが、それに限られません。
MVP:ユーザーのストーリー
CRONUS MVPはDISH自身とその開発パートナーであるIOGの両社に、幅広い機会を開拓します。しかし最終的に最大のメリットを得るのはDISHの顧客ベースです。MVPにより、たとえばBoostOneアプリユーザーは自分のロイヤリティコインの総残高とトランザクションを確認することができます。
またMVPは以下によってバックエンドBoostOne管理者に、より優れたコントロールを提供します。
- BoostOneアプリユーザーのアカウントに、必要に応じてロイヤリティコインを追加、またはここから削除する。
- BoostOne顧客に獲得したロイヤリティコインを提供するために、Cardanoメインネットで必要に応じてトークンをミントまたはバーンする。
- DISHロイヤリティトークンウォレットの単独管理により、顧客がロイヤリティトークンに直接影響することを不可能にする。
- 未公開のDIDを参照して、ロイヤリティコインアカウントに関連する顧客を特定する。
まとめ
この先駆的MVPは、ブロックチェーン対応システムの電気通信エコシステムへの統合、とくに分散型台帳を利用したロイヤリティプログラムの作成に向けた重要なステップです。
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