新たなコラボレーションでUTXOブロックチェーンの勢いは続く
革新的なUTXOベースのソリューションを促進するアライアンスに、AlephiumとDigiByteが新たに参加
2021年 11月 9日 8 分で読めます
以前の記事で、Ergo、Nervos、 Topl、Komodoの各企業と協力して、UTXOベースのブロックチェーンの相互運用性、スケーラビリティ、プログラム可能性を強化する、UTXOアライアンスの結成についてお知らせしました。今日、このアライアンスに、UTXO会計モデルの強化を目指し、新たにAlephiumとDigiByteが参加したことを、喜びと共にお伝えしたいと思います。
私たちは急激な変化と技術的進歩の時代に生きており、ここではブロックチェーンが透明性、信頼性を合理化しセキュリティを強化する技術として機能します。UTXOアライアンスは、この技術の最先端で共有された取組みやイニシアチブを実践し、こうした動きを促進するために結成されました。私たちは協力して、ブロックチェーンをさらに広範に普及させるために欠かせない重要なインフラストラクチャーの開発を進めることができます。
UTXOモデルの強み
このアライアンスは、UTXO会計モデルを進歩させることに主眼を置いています。UTXOベースのブロックチェーンは、以下を確保する点でアカウントベースのモデルより優れています。
- セキュリティ強化:トランザクションのたびに同じアドレスが使用されることがないため、アドレスの追跡や合計残高を見つけることは不可能です。UTXOはプライバシー漏洩の解消という点から見ても有益です。
- スケーラビリティ: UTXO台帳では、ネットワークの混雑を回避するトランザクションの並行処理が可能で、ステートレスのクライアントソリューションに、より適しています。
- 相互運用性:オフチェーンおよびサイドチェーンプロトコルの実装により、異なるブロックチェーン間での相互運用性の確立が容易になります。
- 決定性:UTXO台帳では、ユーザーはチェーン上で処理する前にトランザクションのコストと有効性を予測することができます。また、トランザクションコストは、UTXOモデルの方が「ガス」料金がかからない分割安です。
UTXOのプロパティを調査し、オープンソースの研究に貢献することで、台帳間の相互運用性を高めながら、さまざまなブロックチェーンシステムのプロパティを強化することができます。私たちは協力して、異なるブロックチェーン環境間で、いかに効率よくデータを転送できるかという現実的な問題を解決するスケーラビリティソリューションについて調査しています(データ使用量、処理速度、トランザクションコスト、電力消費量を含む)。また、プログラム可能性にも取り組んでいます。ここでは、UTXOベースのブロックチェーンにスマートコントラクトやDAppを構築する際に多様性を提供する新プログラミング言語の設計に主眼を置いています。
協調的取組み
Alephiumは初の運用可能なシャードブロックチェーンであり、スケーラビリティ、ETHに着想したスマートコントラクト、DApp機能を、実績のあるビットコインのコア技術にもたらすだけでなく、パフォーマンスの向上とエネルギー効率の改善を実現します。Alephiumは、技術設計からインターフェイスに至るまで、今日分散型アプリケーションが直面するアクセシビリティ、スケーラビリティ、セキュリティの課題に対処するべく作られています。UTXOモデルの不可変性は、Alephiumによるブロックチェーンのスケーラビリティ問題への取組みの基礎となっています。具体的には、Alephiumは、レイヤー1スケーラビリティと、アカウントモデルと同じレベルのプログラム可能性の両方を提供するステートフルUTXOモデルを提案しています。Alephiumはまた、DeFiのセキュリティ問題と実行のボトルネックに対処するために、UTXOモデルベースの専用仮想マシン(VM)を提案しています。
Alephiumの創立者であり、主要開発者であるCheng Wang氏は述べています。
スケーラブルで安全なDApp、より具体的にはDeFiの需要の高まりは、UTXOブロックチェーンにとって絶好の機会です。UTXOベースの設計はDeFi開発の新たなパラダイムとなるでしょう。アライアンスは、その大規模な普及を促すうえで主要な役割を担うでしょう。
DigiByteは画期的なオープンソースのコミュニティ主導型UTXOベースブロックチェーンです。より優れた分散化、セキュリティ、スピード、スケーラビリティを保証する、進歩的なソリューションを提供します。セキュアな暗号アルゴリズムと高速化により、ユーザーはデジタル資産、スマートコントラクト、DAppをチェーン上に効率的に作成することができます。DigiByte、そして他のUTXOプロジェクトが抱える最大の課題の一つに、開発者確保の難しさがあります。開発者にとって、UTXOブロックチェーン上にソリューションを構築する際の参入障壁は高く、膨大なドメイン知識と経験が要求されます。DigiByteのコアプロトコルメンテナーおよび貢献者は、アプローチしやすく使用しやすい開発者ツールチェーンおよび開発用サンドボックスを構築することにより、この参入障壁を下げる努力を続けています。
DigiByteのコアプロトコルコントリビューター兼メンテナーのGTO90氏は次のように話します。
DigiByteは、高速のブロックタイム、リアルタイムの難易度調整、MultiAlgoマイニングにより、UTXOの性能を最大限に引き出しています。これにより、UTXOモデルと分散化が改良されました。この数年間にわたり、DigiByteの数多くのイノベーションが、さまざまなオープンソースのUTXOブロックチェーンプロジェクトに貢献しています。 私たちは、UTXOアライアンスと協力して、UTXOモデルのイノベーションと普及をさらに進めることを楽しみにしています。
IOHKのCTO、Romain Pellerinは言います。
さらに2つのブロックチェーンエコシステムが参加し、UTXOアライアン創立メンバーが合計7社になったことに興奮しています。DigiByteとAlephiumはともに経験豊富で新たな系列の思想をアライアンスにもたらします。これにより、私たちが共通の課題として特定し、解決を試みる方法に多様性が確保されます。これは、各メンバーがその最先端の技術を統合して、最新の課題に対する新たなソリューションを設計するのに役立つだけでなく、より大きなスケーラビリティとプログラム可能性、相互運用性を持つブロックチェーンネットワークに向けた相乗効果を可能にします。
私たちはコラボレーションの拡大を続けて、UTXOモデルを強化する、さまざまなアプローチを探っていきます。共通の目的に向けて協力することは、私たちのイニシアチブを強化するだけでなく、オープンソースの研究に寄与します。
Input Outputは、優れた決定性を持つ設計、スケーラビリティの特性、そして実証された安全性から、CardanoのためにUTXOモデルを選びました。UTXOアライアンスメンバーには、この分野でベストの、最も優秀なブロックチェーンマインドを持つ人々が含まれており、コラボレーション、そして、標準を成長、進歩させることに取り組んでいます。もしあなたが、UTXOベースのブロックチェーンツールと手法を開発中であり、この画期的な技術の促進に取り組んでいるなら、ぜひ参加してください。詳細はUTXOアライアンスのウェブサイトをご覧ください。
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