cFundの詳細
昨年のShelleyサミットで発表されたcFundは、原則的にCardanoブロックチェーンやその技術を活用し、革新的な企業にフォーカスした、アーリーステージ投資ファンドです
2021年 7月 28日 8 分で読めます
Cardanoスマートコントラクトが迫る中で、ファンド活動は加速しています。そこで、Wave FinancialのDavid Roebuck社長に、このファンド、そしてその目標について訊いてみました。
cFundとは何ですか
cFundは、Wave FinancialがIOGと提携して管理する暗号資産ネイティブのヘッジファンドです。このファンドはアーリーステージベンチャー戦略を採用し、CardanoやIOGが取り組んでいる他のR&Dプロジェクトに展開されているアプリケーション、ビジネス、製品を開発する革新的なテクノロジー企業に投資します。
cFundという名称にはどのような意味がありますか
名前の「c」は、変数の乗数を指す数学用語「係数(coefficient)」から採っています。cFundは、IOGとWave Financialの両者の専門知識と業界のつながりを活用して、成長とリーチの観点からポートフォリオ企業に相乗効果をもたらすためのものです。
どのような理由でcFundを導入しましたか
IOGは、2つの目的を達成することに重点を置いています。1つは、開発者がスケーラブル、相互運用可能、サステナブルなブロックチェーンベースのソリューションを構築できるようにすること。もう1つは、サービスの行き届いていない世界の人々に向けた金融包摂を促進することです。最終的に、IOGは、Cardanoや他のブロックチェーンに展開するDAppやプロトコルのコミュニティを育成することにより、新興経済国向けの新しい金融インフラストラクチャーを創造することを目指しています。
IOGは、このビジョンを達成するために、さまざまな戦略や製品にわたって約5億ドルの資産を管理しているデジタル資産マネージャー、Wave Financialと提携して、cFundを設立しました。
cFundはエコシステム全体(Cardano、Project Catalystなど)にどのように適合しますか
cFund、IOG、Cardano財団はそれぞれ独立して運営されていますが、共に協力する機会を探っています。cFundは特に、Cardanoブロックチェーンに展開することを望むポートフォリオ企業を評価し、戦略的アドバイスを提供します。
投資アプローチについて詳しく教えてください
cFundは、サードパーティ、富裕層の個人、ファミリーオフィス、および機関投資家(IOGを含む)によって資金提供されています。cFundは、主にCardanoエコシステムと関連技術に焦点を当てている初期段階のプロジェクトやビジネスに投資し、提携することを目指しています。ファンドはすでに積極的な資金のデプロイを行っており、Cardanoエコシステムの至る所でパートナーシップを構築しています。
投資機会の分析に関しては、cFundは機会を評価するにあたって、多数の要因を考慮した規律あるアプローチを取ります。まず、企業が提供するオファリングの市場に明確なニーズがあるかどうかを評価し、競合他社が実行できるかどうかを判断します。ベンチャーではこれをマーケットタイミングと呼びます。次に、チームの背景を評価し、創設者に会社やプロジェクトを拡大するための知識、スキル、リソース、能力があるかどうかを判断します。また、可能な出口シナリオも検討します。
cFundの主要目的の1つはブロックチェーン界の随所でCardanoの提携構築を支援することであるため、デューデリジェンスプロセス中に考慮する最重要ファクターの1つは、その企業がCardanoエコシステムに付加価値を与えることができるかどうかです。
cFundが資本を展開している市場の1つは、分散型ファイナンス(DeFi)、またはより広義にはオープンファイナンスと呼ばれる市場です。ここへのcFundの最初の投資は、グローバルなeコマース市場向けのスケーラブルな分散型決済ネットワーク、COTIでした。COTIの付加価値とは、Cardanoブロックチェーンへの展開を希望するDeFiアプリケーションにブリッジを提供するという計画です。同社は現在、ADA Payを開発しています。これは、ADA(Cardanoプロトコルのネイティブトークン)による支払い即時決済をマーチャントに提供するゲートウェイソリューションです。同社はまた、Cardanoで実行されるステーブルコインを開発しています。
ポートフォリオにおけるもう1つのDeFi投資はBlockswapです。これは、ユーザーがステークされた資産を再ステークできるようにする、ステークチェーンの証明のための自動流動性プロトコルです。Blockswapは、ステーキングアクティビティに流動性を、そしてネットワークにDeFiのメリットをもたらします。ユーザーは、完全にステークされた資産を再ステークすることができ、合成資産を使用せずに利回りを得ることができます。
この分野へのcFundの最新の投資は、Cardano向けに調整されたDeFiソリューションスイート、Occam.Fiです。同社の最初の製品は、分散型の資金調達プラットフォームです。このローンチパッドを通じて、次世代の破壊的DeFiアプリケーションは、Cardanoブロックチェーンを使用して資金を調達できるようになります。全体として、DeFiはcFundが投資する多くの市場の1つですが、理想としては、ポートフォリオ企業はCardanoエコシステムを基盤に構築するある程度の能力を備えている必要があります。
投資以外に何を提供しますか
cFundは、そのポートフォリオ企業およびより広範なCardanoエコシステムにとって、資本提供者であると同時にアドバイザーであり、パートナーでもあります。cFundは、IOGとWave Financialのリソース、評判、専門知識、ネットワークを活用して、ポートフォリオ企業への比類のないアクセスとガイダンスを提供します。 cFundは、付加価値のある投資家であることを確信しており、経営陣の最初の相談相手になることを目指しています。
これを読んでいて、資金調達を希望する事業者はどうすればいいですか
有望なプロジェクトや事業は、Wave Financialのアーリーステージディストリビューションメールに連絡してください。またはTwitter(@ DavidMRoebuck)にDMをくれてもいいし、フォローしていただいてもいいですよ。
cFundの長期計画はどのようなものですか
cFundは、Cardanoエコシステムにとって不可欠となるだけでなく、主にCardanoブロックチェーンベースのテクノロジーに投資する主要なアーリーステージベンチャー企業になることを目指しています。cFundの目標は、世界の金融、ガバナンス、社会システムを形成する構造のほとんどが本来不安定なものであり、それゆえ小さな混乱がシステム全体を根本的に再構成するような波及効果を引き起こす可能性があるという考えである、IOGのカスケーディングディスラプションの創立理念に沿って、これらの混乱をまとめてすべての利害関係者にとって公正で透明な秩序へと押し進めていくテクノロジーを特定し、支援することです。
時間を割いてくれたDavidに感謝の意を表します。
追加情報
最新の記事
Hydra Doom Tournament 筆者: Fernando Sanchez
22 November 2024
Quality Engineering at IO: bridging research and reality in software development 筆者: Ivan Irakoze
20 November 2024
ブラックホーク空へ:ハリケーン「へリーン」を受けて英雄達を輸送 筆者: Fernando Sanchez
29 October 2024