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Daedalus:ローンチからFlight、そしてその先へ…

Daedalusは2017年Cardanoとともに公開されてから長い道のりを歩んできました。そして今、Cardanoの成長、進化とともに、このフルノードウォレットも発展を遂げています

2021年 6月 16日 Darko Mijić 7 分で読めます

Daedalus:ローンチからFlight、そしてその先へ…

Cardanoの「公式」ウォレットとして(Yoroiのブラウザー版およびモバイル版とともに)、DaedalusはCardanoの世界への「窓」を提供しています。外見上、UIはただのアプリに見えますが、もちろんこれはフルノードのクライアントです。すべてのDaedalusインスタンスは、Cardanoネットワークに接続されたライブノードです。各インスタンスはCardano Ouroborosコンセンサスプロトコルを実行し、Cardanoネットワークを無事に稼働させるために独自の役割を果たしています。これにより、Daedalusは集中的にホストされたサーバーに頼ることなく、完全なトラストレスで操作できます。

また、これにより、Daedalusは非常に複雑な製品となります。これは、DaedalusがCardanoの主要コンポーネントとコードベースを統合し、これに依存しているためです。Daedalusはウォレットであると同時に、Cardanoブロックチェーンの「コンソール」でもあるのです。

2017年、DaedalusはCardanoメインネットとともに公開されました。Cardanoネットワークが存在し始めた初日から、プレセール還元機能を持つ画期的なGUIウォレットが提供されたことになります。当時、暗号資産はCLIウォレットとともに公開されるのが普通でした。Daedalusは最初からグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)により、業界標準よりも優れたユーザーエクスペリエンスを提供したのです。もちろん、初期Cardanoコードベースの未熟さや弱点を反映した数々の不具合を共有していました。Byronリブートによって、私たちはコードを完全に再構築しました。これはDaedalusにも影響し、堅牢性と信頼性が向上した製品を提供できるようになりました。

2017年以来、特にByronリブート以降、Cardanoは大きな変化を遂げています。連合型から分散型のプルーフオブステークシステムへと移行し、熱心なコミュニティが何千ものアクティブなプールを実行しています。ステーキングと委任機能を持ち、ブロックの生成は完全に分散化されています。また、Daedalus Flightプログラムも順調に開始されました。新機能を早期にメインネットで展開して、パワーユーザーにテストとイテレーションに協力してもらっています。直近では、ネイティブトークン機能とProject Catalyst有権者登録を追加しました。そしてまもなくスマートコントラクトの時代が到来します。これまで信じられないような旅を続けてきましたが、まだほんの出発地点です。

このブロックチェーン上で成長する機能性は、相互依存関係にある複雑なウェブを備えた本番環境を作成しながら、さらなる課題をもたらしています。対応する技術的資源的影響により、新たな開発はいずれも特に困難なものとなっています。したがって、オファリングの進化に伴い、コア機能に焦点を当てながら、「顧客の声」をより適切に統合していくことの重要性がますます高まっています。

コミュニティ調査

今年の初め、短期的な改良と長期的な製品戦略という観点から、状況をマッピングし、今後の計画を立てるために、コミュニティに包括的なアンケート調査を行いました。

総計で5,544の回答をいただきました。レポートはこちらで公開しています。--daedalus-survey-iframe--

このデータはじっくりご覧いただきたいのですが、結果からは、製品開発への戦略的アプローチを示唆する貴重な見解を得ることができました。ここでは、全体として高い満足度が示されています(平均4.2/5)。またこのアンケートにより、いくつかの明らかな弱点も指摘されました。委任者が自身の選択に満足している一方で、ランキングシステムが小規模なステークプールオペレーターにとって重大な問題点となっていることが明らかになりました。

またアンケートデータは、これをフォローアップし、深く掘り下げ、数多くの特定分野の改善点を特定するためのいくつものアイデアセッションに使用されました。希望される改善点のトップランキングは以下となります。

  1. もっと理解しやすいランキングシステム。より包括的でほとんどのステークプールをランク付けでき、委任されたステーク量に依存しないもの。

a. 新しいランキングシステム設定可能であり、ユーザーは、実績のある飽和状態のプール(報酬見込み付き)のプールと、実績のあまりないより小規模ながら可能性として多額の(ただし信頼性は低い)報酬が見込めるプールとの間で、よりバランスの取れた委任先選択ができる。

b. コミュニティがキュレーションするSMASHサーバーを奨励し、プール選択に異なる基準を提供する。例として、小規模で将来性のあるプール、開発途上国のプール、慈善または使命推進型プール、グリーンで環境にやさしいプールなど。

c. コミュニティのキュレーションによるインポート可能なランキング計算の実現可能性を検討。

  1. 委任ポートフォリオ/マルチプール委任 - ウォレットを複数のプールに委任する機能および委任ポートフォリオを共有する機能。

  2. 委任に関するより多くの情報、UXとコンテンツの改良を通じて、Daedalusを総合的に活用。

  3. 獲得した報酬の詳細情報とグラフィック表示の改良。

  4. 税および会計目的としてエポックごとに獲得した報酬の完全表示およびエクスポートをDaedalusとエキスポート可能なCSV形式の両方で実現。

その他提案されている今後の変更点としては、SPOと委任者間のコミュニケーションを可能にする、ウォレットのフィンガープリントを使用したウォレット作成と復元の改良、ウォレット残高表示用の法定通貨/暗号資産変換の追加、モバイルバージョンおよびライトバージョンの開発、そして、ヘルプの改善が挙げられます。長期的に検討されている改善点には、マルチ資産ウォレット、ニュースフィードの改良、マルチ言語バージョンの増加が含まれます。

コミュニティインテリジェンスと見解

アンケート結果は貴重な情報源です。これらすべての提案は完全に取り入れられ、十分に検討されています。この数か月、チームは主要なネイティブトークン機能、Project Catalystの投票サポート機能、ハードウェアウォレットサポートなどに焦点を当てています。そしてAlonzoスマートコントラクトが目前に迫った今、社内のすべてのチームはGoguenのコア機能にフォーカスしています。しかし、Daedalusチームは現在UXおよびUIの専門家たちとDaedalus改善へ向けたアプローチの仕上げに入っています。これは、進行中であるエンジニアリングの優先順位と、報酬、手数料、パラメーターといった要素をめぐる研究チームの作業(まもなく公開)というコンテクストに明確に位置付ける必要があります。

こうした相互依存性を考えると、一部の要素は重大な課題を提示しています。同様に、私たちは数多くの「クイックウィン」も特定しています。この夏7月にはさらに協議とアイデアセッションを持ち、より協調的な開発モデルを検討し、いくつかのクイックウィンの健全性テストを行い、Daedalusがサービスを提供するコミュニティとより繊細な課題を調査していきます。