委任戦略で新たに選ばれたステークプールを発表

独立した、グローバルな分散型エコシステムというビジョンに向かって取り組むステークプールオペレーター（SPO）から力を得て、Cardanoは成長を続けています。ステークプールはCardanoネットワークの原動力。私たちは有望なプールを認識し、奨励するために委任戦略を開始しました。

Cardanoの拡大とネットワークの分散化という長期的ビジョンをサポートするため、私たちは終了したIO Globalプールのステークを数多くの有望なエコシステムのステークプールに委任し、そのビジネスを促進し、コミュニティの開発目標、技術的貢献、そして地理的分布を支援しています。分析結果は、この活動により、対象となったSPOはネットワーク内における安定性を増し、委任者や、アイデアおよび開発目的を共有するコミュニティメンバーを惹きつけていることを示しています。

多様性と分布

どんなコミュニティエコシステムも、エンジニアや起業家、技術官僚、外交官を世界中に必要とします。同様に、プールのエコシステムも、確立された大規模なプレイヤー、強力なコアに加えて、強力な基盤の上に更なる成功を構築するよう刺激された新規参加者の流れを必要としています。

多くのステークプールが現在直面している問題は、エコシステムにおける認知度、または安定した継続的なプール運営を確保するためにコミュニティサポートを惹きつける可視性です。ステークプールの運営は簡単なプロセスではありません。マイニングとは異なり、マシンにプールをセットアップすることで簡単に資金が稼げるわけではありません。設備をよりよいものにしていくことで成功への道を買うということもできません。実際Cardanoは、コンピューティングリソースに比較的負担がかからないよう設計されています。ステークプール運営は複雑なビジネスで、商品市場および分散市場両者の特徴を備え、スキル、粘り強さ、運を必要とします。

プールの成功や他との差異化に影響を与える要素はたくさんあります。まず挙げられるのは、以下のような技術的要素です。

• パラメーター: ここには、出資影響要素、比較的プール飽和サイズ、プールへ委任されたステーク、オーナーが出資するステークが含まれます。
• 財政：プールが効果的に機能し、ブロックを生成し、委任者への報酬を得ることを確実にするために、変動料金、固定料金、および出資をすべて考慮に入れる必要があります。.
• パフォーマンス：所与のエポックにおいてステークプールが生成可能なブロック数に対する実際に生成した数の割合という、プールに期待される活動に応じて計算されます。.
• 全体的な使命: プールが上記すべての要件を満たしたとしても、完全に認知されるまたは簡単に注意が引けるというわけではありません。エコシステムには2000を超えるアクティブなプールが存在するため、コミュニティに特定のプールが達成しようとしている使命をつまびらかにし、その選択が他者の利益となる理由を説明することが不可欠です。

ここでは差異化能力が鍵となり、ここにマーケティングの要素が絡んできます。競合市場で「顧客」を求めるあらゆるビジネスと同様に、自身を宣伝し、物語を伝え、信頼を構築しないプールが認められることはありません。したがって、認知度を高めることへの努力は、ノード維持に向けた用心と共に必要となります。あらゆる小規模ビジネスと同様に（これはその1つです）、最低限の要件を満たしながらコミュニティに価値を加えるような、明確な目的と目標が必要となります。

チャンス

新規応募受付を4月初頭に発表したのち、私たちは現在ステークプール新コホートへ委任を再設定しつつ、その可能性を伸ばす役に立ちたいと考えています。

すべてのプールに成功して欲しいと願っても、そうはなりません。私たちは委任という手段によって、望む認知レベルに達していないステークプールのサポートに努めています。ステークプールオペレーターにとって重大な問題の1つは、不確実性であり、一貫した報酬に頼ることができないことです。これはベンチャーキャピタル投資の場合と同様で、ステークホルダーは投資収益率が明らかなプロジェクトに投資します。しかし、使命が極めて重要で有望ながら、それを始める資本がない場合はどうなるでしょう。このような場合、多くの会社は初期支援（投資）を受けて発展を促し、望みの目標に達します。

同様の方法で、私たちは有望なステークプールを積極的に支援し、報酬の予測可能性を安定させることによって、エコシステム内で彼らが足場を固め、その使命を支援するより多くの委任者を惹きつけられるよう手助けします。

差異化が成功の秘訣です。選ばれたステークプールには運に頼らず自己を確立して持続性と安定した運営を維持できる機会を提供したいと考えています。ここでは新たな委任ラウンドに参加するべく選ばれた、最新のステークプールコホートを紹介しますが、その前に目的とプロセスの詳細を説明します。

プロセス

委任対象とするプールは常に複雑なプロセスにより選考されます。すべてのアクティブなプールは世界的に分散化されたネットワークに貢献しています。前回プールとその貢献度を査定した際には、その目的と目標、地理的場所、技術的貢献、ステークと出資の率、コミュニティまたはソーシャルメディアへのエンゲージメントといった要素を参考にしました。

700プールが査定対象であったことから、毎回多くのプールを失望させることとなり、中には不公平に見過ごされたと感じたプールもあったかもしれません。初期フィルタリングの後ですら、私たちが特定した多くの基準を満たすプールが300ほどありました。このプロセスで追加的なデータソースを提供してくれたpooltool.ioとadapools.orgにあらためて感謝します。

目的と使命はCardanoの重要な部分を占めているため、これも選考対象に含まれました。今回は、地理的分布、ソーシャルまたはコミュニティ活動、ネットワークの「中の下規模」部分のサポートといった他の重要な側面にも重点が置かれました。実際問題として、持続可能な支援は、最強でも最弱でもないプールに焦点を当てる必要があります。結果、以下の委任分布が定義されました。

• 対象ステークの50%を地理的に分布したプールに
• 25%を堅実な技術的可能性を持つ社会的にアクティブなプールに
• 25%をネットワークバランスを均すために中の下規模のプールに

では、選考理由を理解してもらうために、選考に影響を与えた要素の詳細を見ていきましょう。

地理的分布

Cardanoは分散型の広範囲に分布したノードのネットワークであり、このネットワーク内でノードは協力してブロック生成とトランザクションの有効性を検証します。金融活動を扱う上では、統治機構から独立して初めて信用と信頼を確立できるため、分散化はこのプロセスの鍵となります。ネットワークが確実に接続失敗から回復性を持つようにするためには、ステークプール運営ノードが一部の地域に集中せずに、世界中に分散していることが不可欠です。異なる地域間に接続を設定することは有益であり、単一障害点を排除します。この一環として、最低2つのリレーがもう1つ重要な点として考慮されました。

社会的またはコミュニティ活動

今年初めに行ったアンケートから、SPOが直面する重大な問題が差異化できないことにあることがわかりました。このため、Pulsarの社会的影響スコアを使って、どのステークプールが潜在的委任者の間で勢いを増していたかを理解しました。

ネットワークの「アンバサダー」だけでなく、自国でビジネス目標をサポートしたり、さまざまなコミュニティ活動を向上させたりするために運営されている、社会的にアクティブなステークプールを評価しました。私たちは、強力な社会的プレゼンスとコミュニティエンゲージメントを持ちながら、報酬の予想可能性に関してより安定したポジションを得ることが困難なプールを選びました。明言しておきますが、技術的パフォーマンスが最重要ファクターであることに変わりはありません。TwitterやRedditにいくら投稿しても、ブロック生成を逃した埋め合わせはできません。

ネットワークバランス

異なる目的のための機能を果たすバラエティに富んだステークプールとともに、ネットワーク活動を懸命に維持しブロック生成およびトランザクション検証をサポートしている潜在的に強力なプールも特定しています。こうしたプールに委任することにより、中の下規模のビジネスを支援し、その委任者が安定した報酬を稼ぐ手助けをしています。

Ouroborosプロトコルのセキュリティ特性により、ブロック生成の選定プロセスは究極的にランダム化されており、ブロック生成の可能性は委任されているステーク数に比例します。

このような条件は長期的な報酬行動には適していますが、より短期的（1エポックから数エポック）にはこのランダム性により、報酬額が予測不可能となる可能性があります。この効果はプールの持つ委任量が少なくなるほど高まります。そして、ステークの報酬額が予測できることを期待する委任者を動揺させるという、望ましくない副作用につながる恐れがあります。

勝者紹介

これは、新たな委任ラウンドで選ばれた100のステークプールのリストです。これらのプールについての詳細およびその使命は、adafolio.comまたはadapools.orgで簡単に知ることができます。

これらのプールへは5月末か6月初めに委任を開始する予定です。対象となるSPOはその時期から3か月間ADAを受け取ることになります。

今後の展望

ビジネス目的を実現してエコシステムのサステナビリティをサポートすると確信できる有望なステークプール100を特定できたことを嬉しく思うと同時に、私たちは今回委任することができなかったたくさんのプールがいることを理解しています。全員に対しその行動に感謝し、今回選ばれなかったプールには、3か月後の新委任ラウンドを気に留めておいていただきたいと思います。

今回落選したすべてのプールは、ぜひQ3の新たなコホートに再挑戦してみてください。新たな募集は6月、委任先の変更は7月を予定しています。委任先のプールを特定する主な方法は技術的な分析ですが、プロセスを改良する方法についてのコミュニティからのフィードバックは常に歓迎しています。私たちはCardanoエコシステムの更なる強化に取り組んでいます。私たちは協力して世界をリードするプルーフオブステークのエコシステムを作成しました。成熟するにつれ、これを維持、改良するためにできることを実行したいと考えています。

Ben O’Hanlon、Colin Edwards、Francisco Landino、Sam Leathers、Olga Hryniuk、Tim Harrisonの諸氏のご協力に感謝します