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戦略的パートナーがPlutusスマートコントラクトへの道を拓く

DeFi時代にCardanoをプライミングする開発者間のMetalampとRuntime Verification

2021年 5月 12日 Anthony Quinn 9 分で読めます

戦略的パートナーがPlutusスマートコントラクトへの道を拓く

Cardano Plutusスマートコントラクトの技術的インフラストラクチャーが準備されています。しかし、分散型金融(DeFi)用のこうしたインフラは、開発者がプラットフォームの使用を推進するコントラクトを作成しなければ、車の走らない道路のようなものです。  Plutusパイオニアプログラムは、2年以上前に始まった、進化型開発者教育スキームの一環として4月に開始されました。その目的は関数型プログラミングの学習希望者に系統的なトレーニングを提供し、HaskellやPlutusを使用してアプリを構築し始めることができるようにすることです。1,000人を超える熱心なPlutusの「見習い」開発者グループとともに、私たちは経験豊富なソフトウェア開発会社とパートナーシップを結び、数多くの分散型アプリケーション(DApps)を作成してネットワークのストレステストを行い、初期のプルーフオブコンセプトアプリケーションを提供し、プロセスを査定して、あとに続く開発者集団をサポートしています。

Plutusの計画について、製品戦略ディレクターのSilviu Petricescuは次のように述べています。「プロの開発者がパイオニアプログラムの作業を補完し、Alonzoハードフォークに向けた品質保証とテストプロセスの迅速な追跡を支援することです」

「Cardanoコミュニティは、インセンティブ付きテストネット以来ネットワークのテストや改良、ロールアウトに欠かせません」と、Petricescuは続けます。プロの開発者はプロセスに別の要素を加えます。専門知識という点では、社内のコアチームとパイオニアの間に位置し、「すべてを精査しています。「ドキュメンテーション、ツール、そしてこれから提供する全サポート要素から始めて、彼らは初めてこれをテストし、フィードバックを提供してくれます。これを、社内のテストおよびQAプロセスに含みます」

これは2方向からのアプローチです。パイオニアスキームは開発者集団を訓練し、パートナースキームはすべてが機能することを確認するためにヘビー級の専門知識をもたらします。そうすれば、Plutusが、CardanoロードマップにおけるGoguen最後のコンポーネントとしてメインネットに展開されたときに、誰もが準備を整えていることになります。Petricescuは言います。「この一環としてこうした開発者を確保することは、次回ハードフォークへ向けたビルドのクオリティが、私たちの望むレベルに達することを確実にするための方法です」

オペレーションディレクターのGerard Moroneyがこれらのソフトウェア会社をスキームに連れてきました。「私たちはブロックチェーンの経験を持つ企業、ブロックチェーンコンサルタント会社、その他暗号に限らず、分散型コンピューティングについて知識のある企業と接触しました。また、Haskell経験豊富なコンサルタント会社も対象としました」。熱意は常に不可欠な要素です。「何か新しいこと、何か革新的なこと、面白いことを試したいと真に望む企業と協力します。基本的に、私たちは勇敢でカーブの先を言っている人々を応援します」  

もちろん、ブロックチェーンは決して眠りませんし、探索は広範囲に及び、ヨーロッパ、アジア太平洋、アメリカ大陸のコンサルタント会社と会談を持ちました。「中にはまったく馴染みのない人たちもいました。でも彼らの方はCardanoとPlutusをすでに知っていました。本当に興味深いですね」

金融セクターやビジネスに経験を持つ企業もあり、「みなさん素晴らしいアイデアをお持ちでした。最初に何を求めているかについて助言をしたのですが、彼らの方も新しいアイデアを出してくれて、とても面白かった」 3月のCardano360では、一部のパートナー企業へのインタビューを実施しました。ソフトウェアエンジニアリングに関しては、その専門知識はすぐにはっきりしました。例えばObsidian Systemsは、Tezosのプルーフオブステークブロックチェーンを維持するブロックバリデーターに多くのツールやテクニカルサポートを提供しました。 Metalampへ訪問した際は、シベリアのオムスクの町で、Haskellプログラミング言語で構築した「複雑で時間のかかるプロジェクト」を達成したチームに出会いました。「同社はCardanoについて耳にしており、Haskellで作成された最も興味深いプロジェクトの1つであると知っていました」チームの中には、社にコンタクトを取る前に、すでにPlutusに触れているメンバーもいました。Metalampは金融テクノロジーの経験があり、貸し手、ローン、台帳を含むアプリケーションを構築しています。

その他、ロールアウトをサポートする企業には以下が含まれます。

  • Eleks: カスタムソフトウェアエンジニアリングおよびコンサルタントサービス。1991年創業。拠点はウクライナ。
  • Node Factory: ザグレブのブロックチェーン研究開発スペシャリスト。
  • MLabs: コンパイラー、AI、DevOpsアプリケーション開発。主にHaskell、Python、Typescriptを使用。  
  • BinarApps: ポーランドを拠点に、リテールおよびロイヤルティセクターのプロジェクトを専門とする開発者。

開発者はデジタル取引所と、コモディティ価格、為替レート、航空時刻表、ロジスティクススケジュールなどの情報をブロックチェーンにもたらす「Oracles」と呼ばれるオンラインソースを含むアプリケーションの探索を楽しみにしています。GitHubのEssential Cardanoページには、Cardanoエコシステムのマップとリソースライブラリーへのリンクが掲載されています。

長期にわたる製作期間

もちろん、Plutusは複雑な金融スマートコントラクトに使用されます。これらのコントラクトでは、多額の金が関わってきます。イーサリアムシステムには430億ドルがコントラクトにロックされていると考えられています。確かにDeFiはまだ非常に初期の段階で、最近の#CardanoAfricaイベントで紹介した通り、実世界のユースケース(私たちはリアルFiと呼んでいます)というまったく新しいマーケットが存在します。

安全なスマートコントラクトを長期的に実装することは難しく、ソフトウェアスケジュールの大変さには定評があります。しかし当社のブロックチェーンエンジニアの進展ぶりと、Goguenのジグソーのピースが加速度的に所定の場に収まっていく様子は、下記のPlutusタイムラインに明らかです。Plutus Playgroundは既に稼働しています。およそ1,500人の開発者がパイオニアプログラムでスクリプトを作成しアプリのプロトタイプを構築してスキルを磨いています。一連のAlonzo開発テストネットがまもなくロールアウトを開始し、数週間内に最初にコア機能が、次に高速イテレーションのプロセスと新機能、そして新ユーザーグループが加えられていきます。その間にも、Alonzoのメインネット配信、Cardanoのスマートコントラクト開始に向けて着実に歩みを進めています。

パートナー、パイオニア、開発者と、Cardanoコミュニティの全員がPlutusスマートコントラクトプラットフォームが確実に稼働するよう精力的に働いています。この夏はきっとエキサイティングな夏となるでしょう。安全でエネルギー効率の高い、分散型金融が待ち望んできたシステムです

現在今月末を目標とした最初のAlonzoテストネットの準備が最終段階を迎えています。今週のソーシャルチャネルの更新情報をお見逃しなく。Plutus Playgroundを試したり、CardanoフォーラムでPlutusディスカッションに加わることもできます。Plutus GitHubリポジトリもご覧ください。自分の関心を登録してSlackコミュニティに参加することもできます。*