Input Output GlobalのProject Catalystは、汎アフリカビジネスインキュベーター兼アクセラレーターであるiceaddisの協力のもと、インキュベータースキーム、Ariobを立ち上げました。Aribはセム語系である古代エチオピアのゲエズ語で「星のコレクション」を意味します。
この戦略的提携は、CardanoのイノベーションエンジンであるProject Catalystで資金調達したプロジェクトを向上させるためにデザインされ、高いポテンシャルを持つCatalystのスタートアップたちに、アフリカの現実問題を解消する製品開発に役立つ、ベンチャー構築の専門知識とリソースへのアクセスを提供します。
なぜアフリカなのか
アフリカにはおよそ13億の人々が生活しています。現在、ブロックチェーンのような新しいテクノロジーの適用を急ピッチで行っている、多様性を持つ魅力的な大陸です。従来のシステムへのこだわりがないため、先進技術をはるかに容易に取り入れることができます。金融サービス、国民IDのフレームワーク、学術分野における開発を手がけるプロジェクトは、業界と社会の両方を変容させる素晴らしい可能性を秘めています。この進化によって、過去に行き詰っていたアプローチを一足飛びにするような、起業家精神とイノベーションのための肥沃な土壌が提供されます。したがって、アフリカで最先端のプログラムの配信に焦点を当てることで、Cardanoエコシステムの成長を加速させることができます。
昨年、Input Output Global(IOG)は、エチオピア教育省と提携して、エチオピアの学生500万人に、Cardanoに構築されたAtala PRISMテクノロジーを使用して、その学歴を立証する方法を提供すると発表しました。IOGはまた、ザンジバルでWorld Mobileと協力し、接続手段を持たない人々にコネクティビティを提供し、ブロックチェーンを使って不可欠なオンラインサービスにアクセスできるようにする取り組みを行っています。
Project Catalyst、メンターシップ、インキュベーション
世界最大の分散型イノベーションファンドであるCardano Project Catalystイノベーションプログラムでは、およそ150のプロジェクトがアイデアを展開しています。これは、Cardanoコミュニティにより推進される、エコシステムの発展とイノベーションの中心となります。ファンドラウンドごとに、コミュニティはCardano関連のさまざまなテーマでチャレンジ(課題)を提示します。これらのチャレンジに対し、コミュニティはソリューションと明確なプランを定義したプロジェクト案を提出することで応じます。次にコミュニティは、提示された提案に投票し、資金調達を提供するプロジェクトを選出します。
Catalystは人々が素晴らしいアイデアを実現し、実装することを可能にします。しかし、資金調達は単に成功へ向かう道の1つに過ぎません。その他の要素、すなわち教育、メンターシップ、コラボレーション、製品ロードマップ開発なども、プロジェクトを育て、ビジネスプランとGTM戦略を形式化するために必要とされます。
「BoostCamps」というタイトルのCatalyst資金調達を達成するための最初の起業プログラムは、参加プロジェクトがビジネス戦略を開発するために設計されたセッションに参加できるEntreprenerdyプラットフォームを使用しました。Fund7は最新ラウンドであり、アクセラレーター&メンターチャレンジが設定されています。12のプロジェクトが資金調達を受け、Cardanoに構築されているビジネスをサポートするためのプログラムやツールを作成します。
BoostCampsはこれまで5つのコホートを採用し、うち1つは、アフリカを良い方向へ変化させることを目的に含むプロジェクトに焦点を当てています。この活動はこの最新のイノベーション、Ariobインキュベーターにインスピレーションを与えました。Ariobインキュベーターでは、2022年前半に実施される幅広いサポートプログラムに参加するプロジェクトが選ばれます。このプログラムは、クリエイティブな可能性を実現し、アイデアをテストし、ベストな製品を見つけるためにプロトタイプを使用することを目的としたサービスを提供します。また、プロジェクトと教育機関、政府当局、NGO、地元の企業等との橋渡しもサポートします。
iceaddisの共同創立者であるMarkos Lemma CEOは次のように話します。 「Cardanoは、アフリカにおける現実問題のソリューションを作るプラットフォームです。そして私たちにとってもっとも価値のある関係の一つにCardanoエコシステムがあります。私たちはともに、次の大きなアイデアがアフリカ諸国から生じてくることを示したいと思っており、これを生じさせるためにリソースを投資する覚悟ができています。
大手汎アフリカインキュベーター兼アクセラレーターとして、Ariobインキュベーターを介したポテンシャルの高いCatalystスタートアップの開発促進を切望しています」
Ariobインキュベーター参加プロジェクト
DirectED:低所得国で学生に奨学金を提供するソリューションを開発中。コスト削減、腐敗排除にブロックチェーン技術の透明性、P2P、スマートコントラクト機能を活用。多くの才能ある学生がそのポテンシャルを実現するための財政的手段を持たない。しかし、慈善家は次の2つの理由から寄付に躊躇する。第1に寄付金が直接学生にわたることが保証されない。第2に、意図した目的に基金が使用されるよう条件付きで寄付をするとコストが上がる。DirectEDはこうした問題を、条件付きの寄付をP2Pで直接学生に渡せる、透明性があり、安全で、低コストの手段を提供することによって解消する。
CheCha:ジンバブエの小銭不足を解消するデジタルUSDバウチャーシステム。Chechaはマイクロファイナンスを促進するために、顧客とベンダー間の信頼できる第三機関として機能する。ベンダーはパートナーネットワークに参加し、クローズドループシステム内でローンを償還できる。また、ADAウォレットの導入することで、ユーザーからユーザーへの転送が可能となった。さらにこのプラットフォームは、同国内初の、一般に認められた法定通貨と暗号資産間流動性市場となる。
CanuckCrypto Ekival:ブロックチェーンベースのエスクローサービス。ユーザーに、Hawalaシステム(支払いを受けたエージェントがリモートアソシエイツに最終受取人への支払いを指示する送金システム)を使用した送金を可能にする。Ekivalは、他の場所に拠点を置くユーザーが受益者に代わって取得することを約束できる、ロケーションベースの価値の蓄積(送金の場合は流動性プール)を表示する。
Thrift Finance:THRIFTトークン保有者により管理、維持、アップグレードされる、分散型かつトラストレスな貯蓄システム。その目的は、スマートコントラクトを介して、アフリカ向けにアクセス可能性と効率性のより高い金融システムを作ること。
DeliveryChain:現在の中央集権的な郵送業界のパラダイムを、ブロックチェーンに構築されたピアツーピアソリューションを通じて破壊することを狙う。その目的は、より安く、迅速、信頼性の高い荷物配送をアフリカ中で可能にすること。
Hippocrades: 分散型ヘルスケア情報交換(HIE)。ブロックチェーンを利用して、セキュリティとプライバシーを損なうことなくヘルスケアシステム内における情報伝達を可能にする。また、開発者がWeb3対応の分散型ヘルスアプリを構築するためのヘルスケアモジュールとAPIも提供。
WADA:本国および国外のアフリカ人をエンパワメントするWeb3マイクロファイナンスソリューションを構築。WADAのビジョンは、ブロックチェーン技術を通じて実現されるより包摂的な経済と社会。
African Blockchain Center for Developers (ABCD):アフリカの人々を指導し、革新的なプロジェクトを構築する機会を提供する能力者エコシステム。ABCDの活動は、学習機会を提供することにより、開発者スキルのギャップを埋めると同時に、熟練者と潜在的クライアント間の橋渡しをすることを目指している。
Waya Collective:グローバルな製造業における新たな均衡を見つけるために分散型エンタープライズネットワークを構築中。長く複雑なサプライチェーンを組み合わせた集中型生産という現慣行は、関係者全員にとってますます増えている。Waya Collectiveは、アフリカを対象とした生産者にローンへのアクセス、ノウハウ、信頼できるパートナーのネットワークを分散化された方法でで提供することを意図している。
詳細情報
私たちはこうしたプロジェクトのプロセスを通じた進捗状況をフォローします。新着情報にご注意ください。
Ariobインキュベーターはアフリカを対象としたあらゆるプロジェクトに開かれています。現在アイデアを温めている方は、ぜひお知らせください。
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