ブログ > 2021 > December > AGIXのERC20コンバーターテストネット配信

AGIXのERC20コンバーターテストネット配信

AGIXトークンのCardanoエコシステムへの移転を試せるパブリックテストネットが利用可能に

2021年 12月 7日 Olga Hryniuk 9 分で読めます

AGIXのERC20コンバーターテストネット配信

夏の初めにお届けした記事 では、Cardanoが、どのようにイーサリアムからのERC20トークン移転をサポートするかについて紹介しました。これはまず、SingularityNETとそのトークンAGIXから始まります。本日、AGIX ERC20コンバーターテストネットが公開され、いよいよコミュニティから評価を受ける準備が整いました。

SingularityNETは、このイニシアチブにおける最初のパートナーであり、コンバーターはSingularityNETコミュニティとのより深いコラボレーションに向けた旅の重要な一歩となります。

SingularityNETのCEOにしてチーフサイエンティストのBen Goertzel博士は次のように述べています。

AGIX-ADA/AGIX-ETHコンバーターの登場に非常に興奮しています。これはCardanoテストネットでスタートし、まもなくメインネットにも配信されます。あらゆる革命が一歩ずつ進んできました。そしてこれは、CardanoへSingularityNETの分散型AIプラットフォームを完全移植する工程の第一段階となります。このSingularityNETおよびブロックチェーン全体とAIエコシステム移植の重要性を、評価しすぎることはありません。はるかに高速かつ経済的なAIネットワークを生み出すばかりでなく、SingularityNETに最新機能を加えるための、そして分散型AGIのビジョンの実現に向かうための、非常に優れた基盤となります。

この最初のテストネットバージョンでは、ユーザーはCardanoとイーサリアム間でSingularityNETのAGIXトークンを移動させることができます。これは、ブロックチェーン間の相互運用性を促進し、分散型金融(DeFi)のために実用的な環境を確立するうえで重要な一歩となります。ユーザーは、Cardanoのより大きなトランザクション容量、より低額の手数料、実証されたセキュリティといったメリットを得るために、テストネットにアクセスして、AGIXトークン移転を試してみることができます。

ブロックチェーンのブリッジが相互運用性を強化

ブロックチェーンの相互運用性は、スペース全体の普及と成長を促すためのカギとなります。どのプロトコルを選ぼうとも、すべての人がブロックチェーンソリューションにアクセスできるようにする。これは、オープンソースアプローチと並び、常に私たちが優先している事柄の1つです。しかし、トランザクション処理速度、セキュリティプロパティ、スケーラビリティは、暗号資産コミュニティのニーズを満たすために欠かせません。

現在、Cardanoと他のブロックチェーンを接続する複数のブリッジを構築し、これに関して協力している最中ですが、この最初のコンバーターはこのシステムに欠かせない動脈です。こうした接続が拡大するほど、ネットワークがCardanoエコシステムの流動性を促進する影響力は強まります。

では、AGIX ERC20コンバーターツールが実際にどのように作動するのか詳しく見ていきましょう。

コンバーターを使う

コンバーターは、ソースネットワークからCardanoへのAGI XERC20ベーストークンの移転を可能にします。ユーザーはURLからコンバーターにアクセスし、数クリックでトークンを移すことができます。コンバーターはERC20トークンを同じ価値、機能を持つCardanoのネイティブトークンに変換します。さらにこれをDaedalusまたはYoroiウォレットに移せば、支払いその他のトランザクションに使用できるようになります。また、ビルトイン変換システムにより、必要に応じてトークンをERC20形式に戻すことも可能です。

コンバーターの使用にあたり、技術的専門知識やコーディング経験は必要ありません。コンバーターには単純にURLからアクセスし、そこで新アカウントを作成するか、既存のMetamaskアカウントを設定して次に進みます。

移転させたトークンを保存するために、Daedalus TestnetまたはYoroi Nightlyウォレットに対応するCardanoアドレスを設定することは重要です。初期設定後、ユーザーはテストネットAGIXとEthereum Kovanテストネットワーク(KETH)トークンを使用して、ツールのテストを始めることができます。

コンバーターはトークン残高とその米ドル換算値を反映し、ダッシュボードのトークンカードに表示します。

図1:ERC20コンバーターダッシュボード

トークンの移転

テストネットトークンをCardanoに移転するには、トークンカードを選択し、額を指定し、Convert(変換)ボタンをクリックします。

図2:イーサリアムからCardanoへのトークン移転プロセス

トランザクションがCardanoとEthereum Kovanテストネットの両方で処理されると通知され、残高が更新されます。

逆のプロセスでは、矢印をクリックして変換先にするブロックチェーンを指定します。ユーザーは、システムからスマートコントラクトの実行と、取るべきステップの通知を受けます。

コンバーターはユーザーフレンドリーなインターフェイスを備え、ヒントや通知、追加情報など、トークン移転全般にわたりユーザーをガイドする機能を提供します。たとえば、コンバーターのテストネットバージョンはKovanテストネットワークを使用します。ユーザーが異なる環境にいる場合、システムはユーザーにネットワークを変更するよう通知します。Cardanoアドレスの設定、実際の残高を超えた送金などでも同様です。

そして、すべてのアクティビティは以下のブロックチェーンエクスプローラーで追跡できます。

最新のトランザクションはコンバーターのTransaction history(トランザクション履歴)セクションで確認できます。

図3:ERC20コンバータートランザクション履歴

今後の予定

現在、コマーシャルチームは他のブロックチェーンやサイドチェーンからCardanoへの安全でシームレスなトークン移転を可能にするプロセスを実行しています。対話を希望するプロジェクトはこちらから連絡してください。私たちは、パーミッションド、パーミッションレスの多岐にわたり、Cardanoの相互運用性という使命を追い続け、SolidityやGlowその他で作成された分散型アプリケーション(DApp)を持つサイドチェーンを相互接続させたメッシュを構築します。これで、Cardano上にPlutusで作成されたDAppのベースエコシステムが拡張されます。

セキュリティ第一という哲学に従い、私たちは個人の資産の安全を常に守るために、コンバーターのデプロイにあたっては最高レベルの精密な検査で臨んでいます。そのため、コードを常に監視および監査してすべてが正しく機能していることを確認しながら、コミュニティにテストネットでその性能を試すように依頼しています。テストネットコンバーターのユーザーフローとUIはメインネットと酷似したものになると予想されるものの、現在のビルドはまだパフォーマンスの最適化がなされていません。テストネットフェーズはこのプロセスの重要な部分であり、ユーザーデータを特にネットワークが飽和状態にあるときに収集することでこれに対処し、メインネットでの公開に向けてスループットを改良していきます。