Goguen(ゴーグエン)は、ユーティリティ、スマートコントラクトのサポート、ネイティブトークンの発行に焦点を当てたCardano開発期です。これをインタラクティブコンポーネントシステムとして配信しながら、Cardanoプラットフォームにスマートコントラクトを追加するために、すべての必要な要素を徐々に加えています。
GoguenはPlutus(プルータス)とMarlowe(マーロウ)とともにネイティブトークンのサポートをもたらし、グローバルな分散型金融システムの確立に必須であるスマートコントラクトの開発に役立てます。その素地固めとして、これまでにトランザクションメタデータを導入し、トークンロックをサポート(複雑なスマートコントラクトに必須)できるよう台帳をアップグレードしてきましたが、まもなくマルチ資産をサポートするネイティブトークンを配信します。また、他の開発者コミュニティに参加を促すDevnetを構築しています。
現在、Plutus Playgroundを一新、アップグレードし、開発者にプレリリースバージョンをテストして、その成長に貢献してもらうよう働きかけています。
Plutus Playgroundとは
Plutus Playgroundは、スマートコントラクトを作成し、Cardanoブロックチェーンにリリースする前にテストする環境を提供します。台帳に埋め込まれたスマートコントラクト言語Plutus Core(プルータスコア)は、Haskell形式プログラミングの原則に基づき、開発者がCardanoとやり取りできる高保証アプリケーションを作成することを可能にします。HaskellがPlutusプラットフォームのベースに選ばれた理由は、セキュアなコードを書く能力を提供するという点で、他のプログラミング言語と一線を画しているためです。スマートコントラクトの開発用にHaskellを使用することにより、コントラクトが意図したとおりに正確に実行されること、および実装前にその正確性をテストできることが保証されます。
スマートコントラクトの作成と実行用にウェブベースのシミュレーターを提供するとともに、新しいPlutus Playgroundでは、ユーザーが既存の一般的なスマートコントラクトにアクセスできます。この初期バージョンは、2018年12月のPlutusFestでプレビューされました。今回のPlutus Playgroundニューリリースは、それ以降に進められてきた本プロジェクトの大幅な拡張を反映しています。
対象者
Plutus Playgroundは分散型アプリケーション(ADpps)の作成者、およびCardanoとの連携を望むスマートコントラクトのプログラマーのためのものです。Plutusは、サプライチェーン、追跡、医療記録、ID投票、不動産登録、P2P支払い、金融システムのDAppを構築するためのプラットフォームです。したがって、以下のユーザーのニーズに応えます。
- 企業(規模の大小を問わず)
- 政府
- CardanoコミュニティおよびADA保有者
- 起業家
Plutus Playgroundの機能と改良点
Plutusは今年中にCardanoメインネットに配信される予定ですが、現在それに先立ち、開発者はPlutusでコントラクトを構築し、テストすることができます。Plutus Playgroundはウェブブラウザー経由で作業を行うため、ソフトウェアのインストールは不要です。Plutusチームは、スマートコントラクトのコンパイリングとシミュレーションについてのチュートリアルを作成しました。
ここではバックエンドソフトウェアに改良を施しているほか、報告された不具合にも対処しており、また、インターフェイスの操作性も向上しています。
図1:旧Plutus Playgroundエディター(左)と、現在使用可能な新インターフェイスの比較
既存のPlutus Playgroundと同様に、インターフェイスは次の3つのセクションに分かれています。
- エディター
- シミュレーション
- トランザクション
シミュレーションでは、コントラクトがCardanoブロックチェーンでどのように作動するかが示されます。重要な点として、これは動作原理を示すため、高い開発スキルを持たないユーザーのトレーニングツールとしても使うことができる点が挙げられます。ユーザーはコントラクトとやり取りするウォレット、および結果に影響を及ぼすアクションを定義、変更することができます。その後、ブロックチェーンで何が起こるか、そしてどのようにトランザクションが発生するかを目にすることにより、結果を評価することができます。
Plutus Playgroundはキーボート設定の選択を提供しています。開発者は、VimまたはEmacsのオプションを選択するか、デフォルトのキーボードを使用することができます。
ここではまた、UXを向上させて見た目と使用感を一新しました。さらに、Plutusアプリケーションで実行するシミュレーターのリアリティを高めたほか、以前同様GitHubアカウントに接続してコントラクトや進行中の作業を保存することができます。詳細なテクニカルチュートリアルはこちらをご覧ください。
関わり方
現在、経験豊富な(またはそうではなくても)開発者に、Plutus Playgroundをフルリリース前にテストしてもらえるようお願いしています。スマートコントラクトに関心があり、参加をご希望の方からのフィードバックを心待ちにしています。
最新版Playgroundは本日playground.plutus.iohkdev.ioに配信されました。CardanoフォーラムのPlutusディスカッションやPlutus GitHubリポジトリをぜひ活用してください。サポートやリソースをご希望の場合は、こちらのTypeformアンケートで、ご関心の向きをお知らせください。これにより、Slackコミュニティに追加されます。
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