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Cardanoブロックチェーンに新たな価値とユーティリティをもたらす

トランザクションにメタデータを追加し、CardanoのDeFi革命参画を準備

2020年 10月 29日 Alan McSherry 6 分で読めます

Cardanoブロックチェーンに新たな価値とユーティリティをもたらす

Goguen(ゴーグエン)のロールアウトとともに、Cardanoはスマートコントラクトプラットフォームとなります。処理されるデータに関する情報であるメタデータをトランザクションに追加することがこの鍵となりますが、先月この機能がブロックチェーンに追加されました。トランザクションに焦点が当てられていたCardanoは、今や分散型金融(DeFi)の時代を定義する複雑な操作に対応できる、パートナーシップ、企業、および商用アプリケーションに開かれた、ユーティリティプラットフォームへとシフトしています。

暗号資産の財務運用の規模が拡大するにつれ、特にウェルスマネジメントなどのアプリケーションにとって、変更不可能な不変のデータへのアクセスが可能であることは極めて重要です。Cardanoブロックチェーンは処理されたトランザクションの記録を永久に維持し、財務活動の履歴の透明性と監査可能性を確保します。しかしながら、財務処理の監査可能性と可視性を高めるためには、こうしたトランザクションのコンテクストを追加することが必要となります。追加的な情報には送信者や受信者の情報、条件、処理の時刻などが含まれます。これは、トランザクションメタデータを追加することで成し遂げられます。

メタデータとは何か

メタデータは「データについてのデータ」を意味します。言い換えれば、コンテクストやコンテンツ、記録の構造を説明するものです。ブロックチェーン技術は記録を不変かつ安全に保管するための透明性の高い台帳を提供し、メタデータは永続的なデータ認証で信頼を生み出します。 すべてのトランザクションは特定の目的のために生じます。それは製品やサービスの支払いの場合もあれば家族に資金を送る場合もあります。例えばオンラインで購入した場合、トランザクションとともにきわめて多くの情報がやり取りされます。メタデータは購入者と販売者を反映する製品の購入、決済の時刻、製品の製造者や供給の条件といった物語を語ることができます。これらすべての記録が、富の取り引きとともに維持すべき重要な情報となります。

ビットコインの登場とともに、開発者たちはこうした情報が永久に利用可能となることを見越したうえで、チェーンにこのようなちょっとした追加データを入れられるように、ブロックチェーン技術を活用し始めました。時とともに、チェーンにメタデータを追加することは当たり前になっていきました。

Cardanoは分散型台帳の第三世代です。メタデータに関しては、Cardanoはそれ以前のブロックチェーンのと比べてはるかに効率よくトランザクション情報を追加することができます。以前のブロックチェーンがサポートするメタデータは40~80バイトであったのに比べ、Cardanoのトランザクションサイズは現在およそ16KBです。残りのトランザクションサイズ(UTXO、インプット、アウトプット)を差し引いても、16KBの大部分がメタデータに使用できます。

トランザクションメタデータの重要性

メタデータは証明および検証方法として便利です。暗号資産の所有者履歴、移動、価値の詳細を保持できるようになります。これは、例えば不動産や知的財産といった価値を表す代替不可能な(固有の)資産を扱う際に非常に有益です。さらに、幅広いドキュメントに、その合法性を証明する公開鍵で署名、認証することができます。

メタデータの著名な使用例の一つにサプライチェーンがあります。サプライチェーンには工場、顧客、サプライヤー、配送サービスなどが関わります。効率的なデータ追跡を可能にするには、参加者は関連しあうサービスへの確認を提供しなければならず、これらは検証できるよう誰からもアクセス可能でなければなりません。このケースでは、メタデータはサプライチェーンのプロセスを、ブロックチェーン台帳に固定された記録データとともに完全な形で提供することができます。これがすべての関係者に透明性、不変性、信頼性を与えるのです。

Atala製品

Cardanoへのメタデータ導入は、Atala(アタラ)製品スイートを通じた初期商業化を実現します。ここにはAtala Prism(プリズム)、Atala Trace(トレース)、Atala Scan(スキャン)の各ソリューションが含まれます。データの実行可能性、説明責任性、追跡可能性に関して製品全体の機能性を高めるために、IOHKチームはCardano台帳の統合にメタデータサポートを実装しています。

Atala Prismは分散型アイデンティティシステムであり、人々が自身の個人データを所有し、諸組織とシームレスかつプライベートに、そして安全にやり取りすることを可能にします。Atala Prismチームは、Cardano上でDID(分散型識別子)やDID関連文書を認証し、保管するためにメタデータを統合しています。また、学位証明書などのクレデンシャルを、生成するだけでなく取り消すことも可能になります。

Atala TraceとAtala Scanはブランド所有者がサプライチェーンプロセスの可視性を高め、製品の来歴および監査可能性を確立することを可能にするために開発されています。こうしたケースでは、メタデータの統合は不正開封防止サプライチェーン記録を記録するために使用することができます。

メタデータの利用

企業そして開発者コミュニティの双方にとって、メタデータを利用するにはさまざまな方法があります。そのうちの一つは、IOHKのプロフェッショナルサービスグループが開発したメタデータサービスを使用することです。私たちは統合に関して数多くのパートナーと協力しており、その他にも諸々進行中です。したがって、ビジネスを経営し、トランザクションメタデータを安全に管理しながら顧客やパートナーの信用を確保したいと考えている場合は、プロセスにメタデータサービスをいかに取り込むかについてぜひenterprise.solutions@iohk.ioまでご連絡ください。

トランザクションメタデータはGoguenユーティリティおよびスマートコントラクト機能の重要な初期機能です。今後数か月にわたり、他の多くの機能によって、より一層の強化、開発がすすめられます。このブログでは、ロールアウトの進行とともに、ネイティブアセット、ERC20コンバーター、Marlowe(マーロウ)やPlutus(プルータス)をはじめとするスマートコントラクト言語の更新情報を随時お届けしていきます。